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灸
「灸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
を簡単に、主人は前の俥から話し送って呉れる。そういえば山門を向き合って双方、名|
灸所《きゅうしょ》と札をかけている寺など何となく古雅なものに見られるような気がし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寺という寺があって、その寺中に淡島明神の社があります。その寺で淡島さま御夢想の名
灸をすえるというので、江戸辺からもわざわざ
灸を据えてもらいに行く者があって、一時....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の下駄が潜んでるか、鼻緒の色まで心得てるんだ。べらぼうめ、内証でする事は客の靴へ
灸を据えるのさえ秘しおおされないで、(恐るべき家庭でごわります。)と道学者に言わ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
覚えている。雀色時という言葉はそのころの僕にも好きな言葉だった。 一二
灸 僕は何かいたずらをすると、必ず伯母につかまっては足の小指に
灸をすえられた。....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
間たてば、熱も消え、ぽろりと落ちる。――これは熱弾《ねつだん》というが、別に「お
灸《きゅう》の弾丸」ともいわれるものであった。相手の生命をとるというほど危険なも....
「超人間X号」より 著者:海野十三
くれぐれも気をつけなされや。そうだ。ふもと村の慈行院《じぎょういん》へいって、お
灸《きゅう》をすえてもらうと、きっと直る」 「うんにゃ、それよりも鎮守《ちんじゅ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
たものが、ちっとは雨にも濡れたが可い。慌てる紋は泡沫のよう。野袴の裾を端折って、
灸のあとを出すのがある。おお、おかしい。(微笑む)粟粒を一つ二つと算えて拾う雀で....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
って張って仕様がないから、目にちらつくほど待ったがね、いざ……となると初産です、
灸の皮切も同じ事さ。どうにも勝手が分らない。痛いんだか、痒いんだか、風説に因ると....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の幽霊でねえか。出たッと、また髯どのが叫ぶと、蜻蛉がひらりと動くと、かっと二つ、
灸のような炎が立つ。冷い火を汗に浴びると、うら山おろしの風さ真黒に、どっと来た、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
掛けて、 「厭ですよ、そんな袂ッ草なんて汚いもの、不可ません。酷いことね。もう、
灸のあとさえない児に、酷いっちゃあない。御覧なさい、こんなになったじゃありません....
「露肆」より 著者:泉鏡花
つつ、 「無駄だねえ。」 と清い声、冷かなものであった。 「弘法大師御夢想のお
灸であすソ、利きますソ。」 と寝惚けたように云うと斉しく、これも嫁入を恍惚視め....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
、ね、新さん、あなたなら、あなたならば男だからいえるでしょう。いまにあなた章魚に
灸を据えるとか、蟹に握飯をたべさすとかいう話でもしてあげて下さいまし。私にゃ、私....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ちょっとどうも驚かされた。かねて信心渇仰の大、大師、弘法様が幻に影向あった。
灸点の法を、その以心伝教で会得した。一念開悟、生命の活法を獲受して、以来、その法....
「迷信解」より 著者:井上円了
と多ければ、試みにその二、三を挙ぐるに、頭痛のマジナイに擂鉢をかぶりて、その上に
灸を点ずれば治すといい、また一法には、京橋の欄干北側の中央なるギボウシを荒縄をも....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
、渠らは空想にばかり俘われて夢遊病的に行動する駄々ッ子のようなものだから、時々は
灸を据えてやらんと取締りにならぬとまで、官憲の非違横暴を認めつつもとかくに官憲の....