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灸点
「灸点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灸点の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
うきょうさく》の患者は病院には這入《はい》っているようなものの迷いに迷い抜いて、
灸点師《きゅうてんし》を連れて来て灸を据《す》えたり、海草《かいそう》を採《と》....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
……というのがこの事件の核心的な不思議の一つであった。 そのうちに伊勢の山田の
灸点の先生の処へ行って養生をしていた、女房のお近婆さんが驚き慌てて帰って来たが、....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
。新吉は、晩に寝るとき、滋養に濃い酒を猪口に一杯ずつ飲ませなどした。伝通院前に、
灸点の上手があると聞いたので、それをも試みさした。 「今からそんなこってどうする....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を産む方法がある、膝のうしろのところへ、三つお灸《きゅう》を据えるんだね――その
灸点の場所は、ちょっと秘伝なんだ、お望みなら据えてあげましょう。幸いここは胆吹山....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
っこんだりする仕掛けになっている。 一方の壁には等身大の人体図が書かれていた。
灸点のようなポツポツがタクサン打ってあるのは、これが五百六十五の急所というのかも....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
かりの指圧にかかってもキキメがない。 指圧のツボと、ハリのツボは同じであるし、
灸点のツボはややズレているけれども、ハリの名人なら灸とハリのツボの相違もよく心得....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
であった。母親のはなしに、寿女が十四の時、腰が痛い痛いと喧しく愬えるので、近くの
灸点所へ連れていって、どうやら痛みをとめてもらったものの、それから間もなく腰が抜....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ちょっとどうも驚かされた。かねて信心渇仰の大、大師、弘法様が幻に影向あった。
灸点の法を、その以心伝教で会得した。一念開悟、生命の活法を獲受して、以来、その法....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の行を積んでいるのであった。 この浜町の原の一軒家をかりうけて、昼間は、病人に
灸点をして困らぬながら糊口の生業もし、夜は静かに写経などして、ひとり暮しの気易さ....