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災
「災〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
災の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
て猛烈なフィリッピクスを発しつづけている。ことによると、これはその眇《すがめ》に
災いされて、彼の柘榴口をまたいで出る姿が、見えなかったからかも知れない。
....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ったりしている画があって、そこへ二行に「明治廿四年十一月三十日発行、十月廿八日震
災記聞」と大きく刷ってあるのでございます。それを見た時、私は急に胸がはずみ出しま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
笑い、小声にこう僕に話しかけました。
「隣はわたしの家作《かさく》ですからね。火
災保険の金だけはとれるのですよ。」
僕はこの時のゲエルの微笑を――軽蔑《けいべ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
御捧げ申すのも、長い事ではございますまい。しかし、それまでには孫のお栄も、不慮の
災難でもございませなんだら、大方《おおかた》年頃になるでございましょう。何卒《な....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
んだ?」
「何にするもんか? 食うだけだよ。この辺じゃ未だにこれを食えば、無病息
災になると思っているんだ。」
譚は晴れ晴れと微笑したまま、丁度この時テエブルを....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
も》の穴の中へ大男の半之丞を振り落したまま、どこかへ行ってしまいました。こう言う
災難に遇《あ》ったのですから、勿論火事などには間《ま》に合いません。のみならず半....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
楽会へ出かけることもある。銀座通りを散歩することもある。………
主筆 勿論|震
災《しんさい》前でしょうね?
保吉 ええ、震
災のずっと前です。……一しょに音楽....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
同情の徹しないと云う不満の方が、それよりも大きいので、今度は話題を、今年の秋の蝗
災《こうさい》へ持って行った。この地方の蒙った惨害の話から農家一般の困窮で、老人....
「少年」より 著者:芥川竜之介
のの、自働車の中は不相変《あいかわらず》身動きさえ出来ぬ満員である。のみならず震
災後の東京の道路は自働車を躍《おど》らすことも一通りではない。保吉はきょうもふだ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
度|折檻《せっかん》を加えていたらしい。が、近頃ふと聞いた話によれば、娘はもう震
災前に芸者になったとか言うことである。わたしはこの話を聞いた時、ちょっともの哀れ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
妙見《みょうけん》大菩薩があって、その神前の水吹石《みずふきいし》と云う石が、火
災のある毎《ごと》に水を吹くので、未嘗《いまだかつて》、焼けたと云う事のない屋敷....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。
「それはあるならばつけて上げます。しかし人間の脚はないのですから。――まあ、
災難《さいなん》とお諦《あきら》めなさい。しかし馬の脚は丈夫ですよ。時々|蹄鉄《....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
っていた。それもまた実際仕かたはなかった。彼は家の焼ける前に家の価格に二倍する火
災保険に加入していた。しかも偽証罪を犯した為に執行猶予中の体になっていた。けれど....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
い中に千円か千五百円分を買ったことがあるそうです。まあすべてがその調子でした。震
災以来は身体の弱い為もあったでしょうが蒐集癖は大分薄らいだようです。最後に会った....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
た叔父を思い出したりすることも、必ずしも偶然ではないのである。 両国の鉄橋は震
災前と変らないといっても差支えない。ただ鉄の欄干の一部はみすぼらしい木造に変って....