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炉火
「炉火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炉火の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「石狩川」より 著者:本庄陸男
小屋のなかでは二人の女がしんみりと語りつづけていたのである。ちょろちょろと燃える
炉火を間にして、聞いたり聞かせたりするうちに、おんな心はどんどんほぐれて来た。そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》、米友のことだから、仁王立ちとはいうものの寸が足りない。今し、また燃えさかった
炉火で見ると、赤々と照らされた黒光りの肌と、忿怒《ふんぬ》の形相、それは宮本武蔵....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。
「君も働き給え、これで晩飯の御馳走をして上げる」
湖魚を串にさして、
炉火で米友に炙らせるのであります。
これによって見ると、右の浪人は、この庵寺の....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
れた。そして、気が滅入っているので、彼は、磨き立ててある用箪笥に映るちらちらする
炉火の光や、天井に不安そうに動く影にも、凶事の前兆を見るような気がした。やがてプ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
鏡を持って、入江の周りや、または断崖の上をうろついていた。晩はずっと談話室の隅の
炉火のそばに腰掛けて、あまり水を割らない強いラムを飲んでいた。話しかけられても大....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。晩飯は鍋で煮えているから、まあこっちへきて火に当たりなさるがいい。」
彼は
炉火のそばに行って腰を掛けた。疲れきった両足を火の前に伸ばした。うまそうなにおい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のうちに、ほほえみながら取ってもよかったであろうか。ジルノルマン家の客間の平和な
炉火の前に、法律の不名誉な影をあとに引きずってる自分の足を置いても、よかったであ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
。 食堂には、その午前、この茶色服の紳士より他に客はなかった。彼の朝食の食卓は
炉火の前へ引き寄せてあった。そして、その火の光に照されながら、食事を待って腰掛け....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
てな。……便所はこちらじゃよ。」 と、障子をあけて縁側を案内してくれ、しまいに
炉火に十分灰をかぶせて部屋を出て行った。 三人は、床についてからも、老人は何者....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
豆国に遊び、その地にてなすところを見るに、竹の上に載せたる飯櫃の蓋は、暫時の間、
炉火にあぶりて用い、その蓋の周囲に座するものの中にて一人が導師となりて、しきりに....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
他にあらば、原始的の粗末なる家なるべきも、ここにては仙家也。熊の皮に迎えられて、
炉火に対し、一杯の酒を飲めば、身既に仙化す。温泉は塩類泉にや、硫黄の気の鼻を衝か....