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「炉端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

炉端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
駈落」より 著者:佐左木俊郎
祭りさ行かねえで、家の田の草でも取れ!」 爺さんは怒鳴りながら煙管《きせる》で炉端《ろばた》を叩いた。父親の春吉は、もう何も言わなかった。深く考え込むようにし....
栗の花の咲くころ」より 著者:佐左木俊郎
!」 嘉三郎はまたそう怒鳴った。そして髭を剃るのをやめて、黙々《もくもく》と、炉端《ろばた》へ行って坐った。松代は怖々《おずおず》と、炉端へ寄って行った。そし....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
勝くんも来てるのか?」 敬二郎は鼻であしらうようにしながら、正勝と向き合いに、炉端の腰掛けへ腰を下ろした。 第六章 1 片隅の壁に造り....
手品」より 著者:佐左木俊郎
か、自慢たらしく銀の杯出しゃがるから、餅の代わりにもらって来てやるべ。」 万は炉端《ろばた》へ行って出掛ける前の煙草《たばこ》を、忙《せわ》しく吸いながら言う....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
兎が慌てます。猟はこういう時だと、夜更けに、のそのそと起きて、鉄砲しらべをして、炉端で茶漬を掻っ食らって、手製の猿の皮の毛頭巾を被った。筵の戸口へ、白髪を振り乱....
」より 著者:佐左木俊郎
踏みつけながら帰って来た。 福治爺は、豚小屋のような、小さくって穢い家の中で、炉端に犬の皮を敷いて、垢に汚れたどてらを著込んで、梟が身顫いした時のように、丸く....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
。 あとで――息の返りましたのは、一軒家で飴を売ります、お媼さんと、お爺さんの炉端でした。裏背戸口へ、どさりと音がしたきりだった、という事です。 どんな形で....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
めた分が、白くなるから、妙に三人の女に見えるじゃありませんか。 敷居際へ、――炉端のようなおなじ恰好に、ごろんと順に寝かして、三度ばかり、上から掌で俯向けに撫....
星女郎」より 著者:泉鏡花
あって、通行の旅人を追剥し、石動の里へ出て、刀の鍔で小豆餅を買ったとある、と雪の炉端で話が積る。 トそこら白いものばっかりで、雪上※は白無垢じゃ……なんぞと言....
安達が原」より 著者:楠山正雄
、くり返しくり返しおばあさんにお礼をいっていました。 お夕飯がすむと、坊さんは炉端に座って、たき火にあたりながら、いろいろ旅の話をしますと、おばあさんはいちい....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
、それを聞くと、思わず口の中で叫んだ。そうして思った。 (そうか、これで解った、炉端に集まっていた五人の湯治客、三国峠の権の手下だったんだ。あいつらの話した話は....
或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
来た。 「お父つあん! ジョンが帰って来たよ。」 「うむ? ジョンが? どれ?」炉端で新聞を読んでいた平三は、裸足で戸外へ飛び出して行った。――小学校の庭で消防....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
か,さっぱり腑に落ちない. 茣蓙の隙間からそっとのぞいて見ると,少女がただ独り炉端に坐って,今にも泣きたそうな顔をしている.右座の寝床の方を見やると,仕切りに....
性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
かとさしている。忍び足に近寄って、上座の窓から窺うと、これなる大きな家の、右座の炉端には、老翁老婆が並んで坐り、上座には、二人の男が並んで坐り、左座には、美しい....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
ことを示す地名である。近年猪之頭を中心として、水の公園が造られたとの話を聞いた。炉端で草餅を摘みながら主人に山のことを質した。土地では毛無山の名を知らない、大方....