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炎症
「炎症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炎症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いのちの初夜」より 著者:北条民雄
てと言っても、まあ麻酔剤でも注射して一時をしのぐだけですよ。菌が神経に食い込んで
炎症を起こすので、どうしようもないらしいんです。何しろ癩が今のところ不治ですから....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。しかし咳は自分でとめることは出来ない。咳は胸の中に痰がたまったときとか、咽喉に
炎症があるときなど、自然に起るもので、意志の力では停めがたい。 しかし咳が喀血....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
がそれだよ。僕の大学時代の友人に、これを病んだ奴が一人あったよ。患部は主に脚で、
炎症のために皮膚が次第に肥厚って、移動性を失って来るんだ。象皮病で死んだと言う事....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
ち俗な言葉でいえば眼球をくり抜いて取ることが最上の方法とされて居ります。なお又、
炎症性の緑内障ですと、片眼に起った緑内障は交換性眼炎と称して、間もなく健眼に移り....
「空襲警報」より 著者:海野十三
たけれど、結局、すぐ元気にかえったものはごくわずかだった。多くは、もう胸にひどい
炎症が起り、苦悶はひどくなってゆく一方だった。 壜をくわえた勇士たちが、やがて....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
い小路が大腸の如くうねっている中を行ってみた。この散歩はとうとうその腸内の一角で
炎症を起こさせてしまった。私は寺の鏡帳も講中の掛金の一部も学資も、何もかもをこの....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
きには、本を四五冊下げて歩くのが響いて楽でなかったことさえ屡※だったのですもの。
炎症性とか何とか(御研究の知識によって御判断下さい。)一度やったのがかたまってし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う先のようにとらないでいいでしょう? 赤沈などひどかったわけですね、絶えず腹内に
炎症があったのですもの。くされものを無理して持っていてあんなに疲れたのだと思いま....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
純潔なんだろう? だって君もやっぱりカラマゾフ一族じゃないか! 君の家では肉欲が
炎症ともいうべき程度に達してるんだものね。ところが、今三人の好色漢がどうどうめぐ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
気づかわしい情愛で看護をした。医者はオリヴィエを聴診して、肺尖《はいせん》に少し
炎症を発見し、患者の背中にヨードチンキの塗布をクリストフへ頼んだ。クリストフはそ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
四十四巻は八年後の明治四十一年、卅七歳の四月八日に写了した。前年の秋から膝関節に
炎症をおこしていたが、四十一年の正月匆々|壊疽《えそ》になり、正蔵を写了すると同....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
ルール海岸は、ドーヴィル賭博人の敗北の深傷や遊楽者達の激しい日夜の享楽から受ける
炎症を癒しに行く静涼な土地だ。 レストラン、サン・シメオンの野天のテーブルで小....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
たが、脳を冒されて白痴のようになってしまった。又、良雄の右眼の傷は意外にも重性の
炎症を起し、早く剔出すればよかったものを、手遅れのために交感性眼炎を発し左眼も同....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
とわかった以上、女を訊問して、事情を明かにするより外はないと思います」 康雄は
炎症の局部に触わられたような気がした。あの可憐の恋人が、又々警察官のために質問攻....
「変身」より 著者:カフカフランツ
消えるだろう、と思われた。柔かいほこりにすっかり被われている背中の腐ったリンゴと
炎症を起こしている部分とは、ほとんど感じられなかった。感動と愛情とをこめて家族の....