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炙る
「炙る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炙るの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:菊池寛
三、四匹繋いで、砂の上を小屋まで引きずって帰るのは苦しい仕事であった。が、それを
炙ると、新鮮な肉からは、香ばしい匂いが立ち、俊寛の健啖な食欲をいやが上にも刺激す....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
戚のものは半蔵を見に集まって来た。赤々とした炉の火はさかんに燃えた。串差しにして
炙る小鳥のにおいは広い囲炉裏ばたにみちあふれたが、その中には半蔵が土産の一つの加....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
。婦人の意地と、張とのために、勉めて忍びし鬱憤の、幾十倍の勢をもって今満身の血を
炙るにぞ、面は蒼ざめ紅の唇|白歯にくいしばりて、ほとんどその身を忘るる折から、見....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
うかゝりし戸口かな 打ちつれて夜の年賀や婿娘 万歳や古き千代田の門柱 万歳の鼓を
炙る竈かな 妻猿の舞はですねたる一日かな 春駒や美人もすなる物貰ひ 鞠唄や妹が日....
「嵐」より 著者:寺田寅彦
る。 浜辺に焚火をしているのが見える。これは毎夜の事でその日漁した松魚を割いて
炙るのであるが、浜の闇を破って舞上がる焔の色は美しく、そのまわりに動く赤裸の人影....