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「炭俵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

炭俵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
誠に御無心だが、私《わし》はね、少し用があるのを忘れて居たが、実は此の先へ往って炭俵を六俵積んで来て呉れと頼まれてるんだが、どうしても積んで往《い》かねばなんね....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
物音が、少し静かになった。 「行ったのかな」 「いいえ。まだまだ」 二人は、炭俵の後方に、ちぢんでいた。雪を踏んで、足音が小屋を目指して近づいて来るのがきこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て家捜しをすることになって、念のために床下までもあらためると、台所の揚板の下には炭俵が二、三俵押し込んである。その一つのあき俵のなかに首を突っ込んで、善昌がうつ....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
たランプの尻にほとんど水がついておった。床の上に昇って水は乳まであった。醤油樽、炭俵、下駄箱、上げ板、薪、雑多な木屑等有ると有るものが浮いている。どろりとした汚....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
や、羽根や、菓子の袋などをくれる。箒や擂りこ木や、鉄瓶や、提灯や、小桶や、薪や、炭俵や、火鉢などもある。安物があたった時は仔細ないが、すこしいい物をひき当てた場....
単独行」より 著者:加藤文太郎
い斜面となっていた。霧が巻いてきたので山毛欅坂避難小屋に泊る。気持のいい小屋だ。炭俵がたくさんあり、その中に入っていると温かい。アルコールは便利だ。コッヘルにて....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
の処は土間になって居りまして、折曲って内へ入るんでがすが、土間へは、薪を置いたり炭俵を積んどくですが、二間ぐれえはごぜえます、庭も些とばかりあって、奥が六畳にな....
」より 著者:島崎藤村
みた。櫛箱の髢まで掻廻してみた。台所の方へも行ってみた。暗い入口の隅には、空いた炭俵の中へ紙屑を溜めるようにしてあった。三吉は裏口の柿の樹の下へその炭俵をあけた....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
されると、トトトン、トトトンと太鼓の音。それを、欄干から覗きますとね、漬物|桶、炭俵と並んで、小さな堂があって、子供が四五人――午の日でした。お稲荷講、万年講、....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
とは。一俵八十五銭の佐倉があれだよ」とお徳は井戸から台所口へ続く軒下に並べてある炭俵の一を指して、「幾干入てるものかね。ほんとに一片何銭に当くだろう。まるでお銭....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
、昨日のようにびっくりしたことはない。お母さんがあんな危ないことをするんだもの。炭俵に火なぞをつけて、あんな垣根の方へ投ってやるんだもの。わたしは、はらはらして....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ら枝炭の。枝葉を添て脱稿しも、原来落語なるを以て。小説|稗史に比較なば。所謂雪と炭俵。弁舌は飾れど実の薄かるも。御馴染甲斐に打寄る冠詞の前席から。ギッシリ詰る大....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
炭焼き小屋がありまして、そこの炭焼き男に一夜の宿を乞うたのでありますが、その男が炭俵を編むのに使っている帙櫨は、黄金の塊だったのであります。そこでお姫さまが(こ....
飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
す白い雪が敷かれて、あたりはひっそりとしていた。炭がまのぬくもりで暖まりながら、炭俵を編んでいた。老爺はいろいろの凶作話の末にこういったのである。 「いよいよ食....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
いました。 伊作、多助、太郎右衛門の三人は、ある秋の末に、いつものように背中に炭俵を三俵ずつ背負って城下へ出かけて行きました。三人が村を出た時は、まだ河の流れ....