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炭取り
「炭取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炭取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
した。
けさまで客がいたらしく、掃除は済んでいたけれども、火鉢《ひばち》だの、
炭取りだの、古い新聞だのが、部屋のすみにはまだ置いたままになっていた。あけ放した....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
が勝手口の戸棚に残ったのを半蔵は探し出して、それを店座敷に持ち帰った。彼が火鉢だ
炭取りだ鉄瓶だと妻の枕もとを歩き回るたびに、深夜の壁に映るひとりぼっちの影法師は....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
たようである。着物は完全な襤褸でそれに荒繩の帯を締めていたような気がする。大きい
炭取りくらいの大きさの竹かごを棒切れの先に引っかけたのを肩にかついで、跛を引き歩....
「トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
の兒を不愉快な心持で見た。 古い煤けた箪笥、ブリキ落しの安火鉢、半分壊れかけた
炭取りなどが其処に置いてあった。壁に張ったトルストイの肖像は黒く煤けて見えていた....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ゃないか、ええボブ君! 火を拵えなさい。それから四の五の云わずに大急ぎでもう一つ
炭取りを買って来るんだよ、ボブ・クラチット君!」 スクルージは彼の言葉よりもも....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
狽《ろうばい》の極、胴巻《どうまき》とまちがえて小猫を抱いたり、振分けのつもりで
炭取りをさげたり……いや、なんのことはない、まるで火事場のさわぎ。
この騒乱に....
「炭取り」より 著者:田中貢太郎
処を通って、小供の枕頭の方に来ようとしたが、その拍子に衣服の裾が炭取にかかると、
炭取りはぐるりと左から右に動いてその位置が変った。その時、祖父をはじめ傍に寝ていた者は皆いっしょにうなされた。....
「初夢」より 著者:正岡子規
きょうの飾りはひどく洒落《しゃれ》ていますな。この朝日は探幽《たんゆう》ですか。
炭取りに枯枝を生けたのですか。いずれまた参りましょう。おい車屋、今度は猿楽町だ。....