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「炭団〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

炭団の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
燵をいれてけつかる)安二郎はひょんなところでふと豹一のことを想い出した。(たかが炭団代というても莫迦にはならんぞ!) 一月いくらになるだろうかと暗算して、なる....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その十両をみんな持ち出してしまいました。だんだんに押し詰まっては来ますし、家には炭団《たどん》を買うお銭《あし》もなくなっていますし、お父っさんの方へもたびたび....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せてあるくんです。番太郎の家は大抵自身番のとなりにあって、店では草鞋でも蝋燭でも炭団《たどん》でも渋団扇《しぶうちわ》でもなんでも売っている。つまり一種の荒物屋....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
昼からの風は宵に止んだが、夜ふけの寒さは身に泌みるので、半七と松吉は小さい火鉢に炭団《たどん》を入れてもらって、荒物屋の店の隅にすくんでいると、縁の下には鳴き弱....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うというほどの種は挙がりませんが、唯ひとつ、妙なことを聞き出しましたよ。葺屋町に炭団伊勢屋という大きい紙屋があります。何代か前の先祖は炭屋をしていたとかいうので....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
忘れなかった。諸方の辻々には思い思いの意匠を凝らした雪達磨が、申し合わせたように炭団の大きい眼をむいて座禅をくんでいた。ことに今年はその材料が豊富であるので、場....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に似合わねえ、なんで短刀なんぞを持っているんだ」 「はい」 「何がはいだ。はいや炭団じゃ判らねえ。しっかり物を云え。お慈悲につめてえ水を一杯のましてやるから、逆....
わが町」より 著者:織田作之助
とつしなかった。 犬の遠吼えがきこえた。 だんだん夜が更けて来た。 炬燵に炭団を入れていると、荒あらしく戸を敲く音がした。 玄関へ出て見ると、見知らぬ人....
蘆声」より 著者:幸田露伴
日でも釣れない日でも、帰る時にはきっと何時でも持って来た餌を土と一つに捏ね丸めて炭団のようにして、そして彼処を狙って二つも三つも抛り込んでは帰るのだよ。それは水....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
いねえ」 清「詰らねえ事を云ってるな、少し頼みがあるが、襤褸の蒲団と小さな火鉢へ炭団を埋けて貸してくれねえか、夫を人に知れねえ様に彼処の明店へ入れて置いてくれ」....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
食散らす。 三光町の裏小路、ごまごまとした中を、同じ場末の、麻布田島町へ続く、炭団を干した薪屋の露地で、下駄の歯入れがコツコツと行るのを見ながら、二三人共同栓....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
魔の魂が入替るとは言え――半ば狂人であるものを、肝心火の元の用心は何とする。……炭団、埋火、榾、柴を焚いて煙は揚げずとも、大切な事である。 方便な事には、杢若....
註文帳」より 著者:泉鏡花
をしながら、日向をのッしりと曵いて通る。向うの路地の角なる、小さな薪屋の店前に、炭団を乾かした背後から、子守がひょいと出て、ばたばたと駆けて行く。大音寺前あたり....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
さすがに地方での都会であったが、ちょっと曲角が真暗で、灯一つ置かない夜店に、大な炭団のような梨の実と、火が少しおこり掛けたという柿を積んだ、脊の低い影のごとき媼....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
男「だからよ、※物が出るように己がするから、それまで己の云うことを聞いてくんな、炭団の頭を叩って見な、まだ少しは火が有るだろう、泡ア喰ってまた川の中へポカリをき....