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「炭屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

炭屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
《しょうゆや》、油屋、八百屋《やおや》、鰯屋《いわしや》、乾物屋《かんぶつや》、炭屋、米屋、家主その他、いずれも厳しい催促《さいそく》だった。路地の入り口で牛蒡....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
聞き出しましたよ。葺屋町に炭団伊勢屋という大きい紙屋があります。何代か前の先祖は炭屋をしていたとかいうので、世間では今でも炭団伊勢屋といっているんですが、地所|....
深夜の市長」より 著者:海野十三
」 同じ声は、なおも続いてした。 ハッと思って、声のする方を見直すと、そこは炭屋らしく薪が山のように積まれていた。その蔭から、オイデオイデをして招く何者かが....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
流れ、お落ちも落ちた、奥州青森の裏借屋に、五もくの師匠をしていて、二十も年下の、炭屋だか、炭焼だかの息子と出来て、東京へ舞戻り、本所の隅っ子に長屋で居食いをする....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
見楼で、それ、よくこの頃新聞にかくではないか、紅裙さ。給仕の紅裙が飯田町だろう。炭屋、薪屋、石炭揚場の間から蹴出しを飜して顕われたんでは、黒雲の中にひらめく風情....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
炭ほか使ないよ」 「そうら解った、私は去日からどうも炭の無くなりかたが変だ、如何炭屋が巧計をして底ばかし厚くするからってこうも急に無くなる筈がないと思っていたの....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
に怪談の材料を蒐集していると、その親友の画家柴田|是真翁から本所|相生町二丁目の炭屋の怪談を聞かされた。それは二代目塩原多助の家にまつわる怪談で、二代目と三代目....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
が徹底的に始まつてきた。大井広介といふ男が本名は麻生某といつて、彼は元来九州の石炭屋の一族だ。こゝなら徴用が逃れるといふので、井上友一郎が先づ社員となつて九州へ....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
たりの住人も大体替ってしまっていた。その頃の煙草屋も薬種商も、綿屋も床屋も肉屋も炭屋も皆別な人で元のおもかげがなかった。私の気持からいえば先ずリップ・ワン・ウィ....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
は……」 「あはは……」 父子は愉快そうに笑っていた。 丁度その頃、赤井は南炭屋町の焼跡にしょんぼり佇んでいた。 かつて、わが家のあったのは、この路地の中....
註文帳」より 著者:泉鏡花
がすな。」と澄して土手の方へ行った。 積んだ薪の小口さえ、雪まじりに見える角の炭屋の路地を入ると、幽にそれかと思う足あとが、心ばかり飛々に凹んでいるので、まず....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ね。土地子だが気がつかなかった。どうしたんだって聞くと、裏の家へ背戸口から入った炭屋の穿かえたのが、雪が解けて、引掛ったんじゃあない……乗ってるんだって――」 ....
お母さんのひきがえる」より 著者:小川未明
悲しいとも思いませんでした。こんどは、隣の家へはいってゆきました。 隣の家は、炭屋でした。おかみさんが、冬の用意に、たどんを造っていましたが、ひきがえるがはい....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の経済欄に載っている物価表に目を通すうち 『これだ!』 とひざをたたいたのは石炭屋である。そのとき私は十七歳になっていた。 石炭屋を商売に選んだ理由はいろい....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
根の低い長屋つづき、縫箔屋だの、仕立屋だの、床屋だの、道具屋だの、駄菓子屋だの、炭屋だの、米屋だの……あんまり口かずをきかない、世帯じみた人たちばかりが何のたの....