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炭庫
「炭庫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炭庫の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
な方法にしてなお、汁物は作るわけに行かなかった。 コロッパス(石炭運び)は、石
炭庫の中で、頭じゅうをこぶだらけにするのを、どうしても免れるわけには行かなかった....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
論|当直のある限りは絶対に出来ないのに違いなかった。のみならず自殺の行われ易い石
炭庫の中にもいないことは半日とたたないうちに明かになった。しかし彼の行方不明にな....
「地獄街道」より 著者:海野十三
の中を、吊り籠が通る度ごとに、籠一杯の石炭を詰めこんで、上に昇ってゆく。辻永は石
炭庫の周りをしきりに探していたが、 「いいものを見付けたぞ」と辻永はいよいよ元気....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
話していた。薄暗い中で、それはゴリラがうずくまっているのと、そっくりに見えた。石
炭庫の口が半開きになって、ひんやりした真暗な内を、無気味に覗かせていた。 「おい....
「上海された男」より 著者:牧逸馬
サイド》を攀《よ》じ登って、料理場《ギャレイ》の前の倉庫口《ハッチウェイ》から側
炭庫《サイドバンカア》へ逃げ込んだ。 「殺人犯だ! 解らんか、此の毛唐奴《けとう....
「難船小僧」より 著者:夢野久作
る処ならばどこでも構わない。空隙のあらん限り押し込んでしまうので、石炭を積む処は
炭庫以外に殆んど無いと云っていい。そこへ今度のアラスカまわりみたいな難航路になる....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
本馬が、すっくと立ち上った。松葉杖なしで、曾呂利がつっ立ったのである。 石
炭庫の中 「おい、見つかったそうだ、ミマツ曲馬団の松ヶ谷団長が、石
炭庫の中で」 ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
って他の一つから走り降りる。めいめい石炭を詰めた袋を運んで、それを、投げるように
炭庫の口へあけては、遅れまいと熱狂している。見てると、まるで一連の機械のように、....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
安に駆られて騒擾を醸すに決まっている。その石炭夫達は、上級船員が拳銃の先で直ちに
炭庫《バンカア》へ追い下ろしたが、その内の一人は船の危険を看破して急に反抗の態度....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
《フラン》ばかり巻きあげたあの憎い|玉廻し《クルウピエ》であろう。 コン吉が石
炭庫の石炭で手ひどくやられた、右足を軽く跛《びっこ》にひきながら、公爵とタヌのあ....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
北大西洋に煙を吐いていた。よし両輪《パドル》船だろうが、低圧の単式機関だろうが、
炭庫を広くとりさえすれば、ボイラーの水は六十年代中頃まではふんだんに海水を使って....
「黒船前後」より 著者:服部之総
に石炭供給所が到るところにあったわけでないから、いよいよもって尨大《ぼうだい》な
炭庫を必要とした。それだけ貨物ないし旅客のための比例容積は狭められたのである。 ....