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炭酸水
「炭酸水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炭酸水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
、舞台監督のT君は、帝劇《ていげき》の露台《バルコニー》に佇《たたず》みながら、
炭酸水《たんさんすい》のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの亜麻色....
「或る女」より 著者:有島武郎
にすわれと顎《あご》を突き出して相図した。そして激しく手を鳴らした。
「コップと
炭酸水を持って来い」
用を聞きに来た女中にこういいつけておいて、激しく葉子をま....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
に、貴方の仇敵もとってきたわよ」 「ええッ。――それは何のこと?」 彼女は冷い
炭酸水を摂りながら、意外なる出来ごとについて、僕に話して聞かせるのだった。―― ....
「花吹雪」より 著者:太宰治
っているので、水で洗えと云う人がある。酒で洗えと云う人がある。近所の医者の処へ石
炭酸水を貰いに遣れと云う人がある。手を包めと云って紙を出す。手拭を出す。(中略)....
「ポラーノの広場」より 著者:宮沢賢治
した。わたくしはそこで云いました。 「いや、わたしたちはね、酒は呑まないんだから
炭酸水でもおくれ。」 「
炭酸水はありません。」給仕が云いました。 「それならただ....
「バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
。生活力があふれ、人生の現実に充ち各行が何かを語り、紛糾の深味が次々へと、新鮮な
炭酸水のように活気横溢してみなぎっている。 ヨーロッパ文学においてもバルザック....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
た巾着とパイプ。灰皿に燐寸。燭台が一つ。但し蝋燭はない。あとは四本の洋酒の壜に、
炭酸水の入ったサイフォン一壜。――これが卓子の上のすべての品物だった。 灰皿の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、もしかしたら男らしい人の感覚を柔かく休めるものかもしれないと。こちらは、云わば
炭酸水の泡のような刺戟があって、それは却って、私のような性質の女に快いのかもしれ....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
大目に見てもよかろう。酒は豊富にある。日本酒をはじめ、葡萄酒、ジン、ウイスキー、
炭酸水も用意してある。 「今日は、たぶん、徹夜の仕事になるだろうから、食べ物は書....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
の、南洋の小島から来たものなど、相次いで食卓に並びました。ただ飲物の方は、老酒に
炭酸水に冷湯だけでありました。何源が適宜に立現われ、一隅に直立して、万端の指図を....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、喉が乾いていたところなので、カーッと味の解らないほど、口全体が熱くなった。 「
炭酸水をもらおうかな。」 「はい。」美和子は、側に来かかったよし子に、 「ウィル....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
から、(臨界温度三一度、昇華点零下七九度である。)サイフォンといわれている家庭用
炭酸水製造器に、拇指よりも小さいボンベに液状となって使用されている。けれども一酸....
「桜の園」より 著者:神西清
――≪Grand rond, balancez!≫ フィールスが燕尾服すがたで、
炭酸水を盆にのせて持って出る。客間にピーシチクとトロフィーモフ登場。 ピーシチク....
「P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
覚えていた。 彼は酒場へ入って店台《カウンター》の前の丸椅子に腰をかけながら、
炭酸水を交ぜたウイスキーをチビチビと飲んでいた。 すると、羽目板を隔てた隣りの....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
が、何を語ったか何をしたか外の者に判るはずがありませぬ。ただはじめにウイスキーと
炭酸水を注文されたので係の者が、ウイスキーと
炭酸水となおコップを二つ運んだきりで....