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炮烙
「炮烙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炮烙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
にたぶらかされて、夜も昼も淫楽にふける。まだそればかりか、妲己のすすめに従って、
炮烙《ほうらく》の刑という世におそろしい刑罰を作り出した。お前も先刻《さっき》か....
「門」より 著者:夏目漱石
な形に畳んだ。宗助は小供の時から、この樟脳の高い香《かおり》と、汗の出る土用と、
炮烙灸《ほうろくぎゅう》と、蒼空《あおぞら》を緩《ゆる》く舞う鳶《とび》とを連想....
「食魔」より 著者:岡本かの子
たずっと溯った幼時の思い出を懐しもうとするのか、フライパンで文字焼を焼かせたり、
炮烙で焼芋を作らせたりした。 これ等を鼈四郎は、病友が一期の名残りと思えばこそ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
笑い出した。其子が泣き出した。デビス先生は左の手で泣く子の頭を撫で、右手の金網の
炮烙でハゼ玉蜀黍をあぶりつゝ、プチヽヽプチヽヽ其はぜる響を口真似して笑いながら頭....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
たくしにしても、あなたさまさえ、まごころを下さりませば、生きながらの焦熱地獄――
炮烙《ほうらく》、鼎湯《かまうで》の刑に逢いましょうとも、いっかな怖れはいたしま....
「球根」より 著者:寺田寅彦
くきくと言ってある親戚から笹百合というものの球根を送ってくれた事があった。それを
炮烙で炒ってお八つの代わりに食ったりした。それは百合のような鱗片から成った球根で....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
船に乗り見れば、六、七尺長き大蛇水中にて異様に旋《めぐ》る、半時ほど旋りて胴中|
炮烙《ほうろく》の大きさに膨れまた舞う内に後先《あとさき》各二に裂けて四となり、....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
出しているのである。「あきらめ」につづいて、「誓言」「女作者」「木乃伊の口紅」「
炮烙の刑」と進むにつれ、田村俊子の気質と作品とは、益々あますところなく当時のロマ....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
篇で当選した。三年のちに発表された短篇「魔」「誓言」「女作者」「木乃伊の口紅」「
炮烙の刑」などは『青鞜』によった人々が、それぞれ断片的な表現で主張していた女の自....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
えって敗北した時、荒木田守武《あらきだもりたけ》の狂歌に「宇治武者は千人ありとも
炮烙《ほうろく》の槌一つにはかなはざりけり」、蛆虫《うじむし》を宇治武者にいい做....
「柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
た。作品を通して眺めた夫人は、キリスト教徒のためされた、踏絵や、火刑よりも苦しい
炮烙《ほうらく》の刑にいる。けれど試《ため》す人は、それほど惨虐な心を抱いている....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
ばひかげちょう》に鯖《さば》をあげるお稲荷様があるかと思えば駒込《こまごめ》には
炮烙《ほうろく》をあげる
炮烙地蔵というのがある。頭痛を祈ってそれが癒《なお》れば....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
り輝くばかり。その代り目の廻るほど忙しきは下女の役、一人は頻《しきり》に南京豆を
炮烙《ほうろく》にて炒《い》り、一人は摺鉢《すりばち》にて搗砕《つきくだ》く。妻....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
得意ですから南京豆をお使いなさるとちょうどよろしゅうございましょう。白胡麻ならば
炮烙《ほうろく》で炒《い》って擂鉢で摺ってその中へ今取っておいた油揚の白味を入れ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
。先ず麻の布巾《ふきん》のようなもので米をゴシゴシ擦《こす》るように拭《ふ》いて
炮烙《ほうろく》か鉄鍋で狐色に炒《い》ります。そこで一合の米へ五合ほどの水を加え....