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点ける
「点ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
蔵の姿して、ずらりと立並ぶ径を見返り、 「もっと町の方へ引越して、軒へ瓦斯燈でも
点けるだよ、兄哥もそれだから稼ぐんだ。」 「いいえ、私ゃ、何も今のくらしにどうこ....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
た。 「さァ皆、懐中電灯を消すんだ」わしが命令するまでは、どんなことがあっても、
点けるなよッ。折角の化物を、遁がしちまうからな。いいかッ」 一同は、それぞれ、....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ておかねばならない。 「どうだ、犯人は何か喋ったかい」 と、帆村がホープに火を
点けるのを待って尋ねてみた。 「いや君、あの男はまだ犯人とは決っていないよ」 「....
「蠅」より 著者:海野十三
を出した。パイプには、まだミッキスチェアが半分以上も残っていた。燐寸を擦って火を
点けると、スパスパと性急に吸いつけてから、背中をグッタリと椅子に凭れかけ、あとは....
「蠅男」より 著者:海野十三
腰をかけている村松検事に尋ねた。 「うん、――」検事は愛用のマドロスパイプに火を
点けるのに急がしかった。「気の毒な最期だったよ。――」 「そうですか。そうでしょ....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
方に妙な万力が吊るしてありますな?」 「ええ、そう云えば、時にはあの尖端に燈火を
点けることもございました……年に一度か二度のことですが、なんでも、いつもより少し....
「流線間諜」より 著者:海野十三
む者はないだろう。万一怪しまれそうになっても、何喰わぬ顔をして検閲官の前で、火を
点けると薬も共に燃えて跡方もなくなってしまう。実に巧妙な隠し場所だといわなければ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
であす。じゃが時刻も遅いでな、……見なさる通り、燈明をしめしておるが、それともに
点けるであすか。」 「それがでございます。」 と疲れた状にぐたりと賽銭箱の縁に....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
体のごときお雪はあらず、余の大降に荒物屋の媼も見舞わないから、戸を閉め得ず、燈を
点けることもしないで、渠はただ滝のなかに穴あるごとく、雨の音に紛れて物の音もせぬ....
「明日」より 著者:井上紅梅
うほど不思議になった。――この部屋がたちまち非常に森として来た。身を起して灯火を
点けると室内はいよいよ静まり返った。そこでふらふら歩き出し、門を閉めに行った。帰....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
伝いもしないで、邪魔するだけだ。――その上、洋灯をひっくりかえしったら晩には何を
点けるんです?……」 「おお、よしよし、泣くでないぞ泣くでないぞ」 彼は顫え声....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
輿渡御の刻限には火を消さずばなるまいな」 「それはもうどちら様がお泊りでも、火を
点けることはできますまい」 源八郎は考えた。六人の旗本の鼻を削ったのと、十数人....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、廊下を駆けつけて来たのに目礼をして、私は室へ戻ったですがね。停電|暫時で行燈を
点けるという、いや、酷い混雑。 その内に、 (おお、熱い事、) とその声が、....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
除けて左右に積み、風防けとし、居を平に均す、フ氏と嘉門次は、偃松の枝を採りて火を
点ける、これでどうやら宿れそうだ。やがて、雲霧も次第に薄らぐ、先ず安心、と濡た衣....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。 「あ、失敗った!」と、市郎は思わず舌打した。が、現在の位置にあって再び蝋燭を
点けると云うことは、殆ど不可能であった。彼は左の手に蝋燭を持ち、右の手に岩を抱い....