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点る
「点る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
が、数十倍に達する暴徒を向うに廻しては、勝てよう筈がなかった。軍人たちは、赤色灯
点る局舎のあちらこちらに、射斃され、非戦闘員である機械係りや、アナウンサーは、不....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
サア既に斯まで手配が附て居れば旦那が外から戸を叩く、ハイ今開ますと返事して手燭を
点るとか燐寸を探すとかに紛らせて男を逃します逃した上で無ければ決して旦那を入れま....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
朝からの勇ましい太鼓の音に、界隈の子供が一日を楽しく嬉しく暮らして、絵行灯に灯の
点る頃になると、これらの小江戸ッ児は五人、七人隊をなして、家々の門を祭り銭をつな....
「夏遠き山」より 著者:宮本百合子
手摺の下まで迫って来た。今にもう少し暗くなると、狭い温泉町の入口に高く一つ電燈が
点る。特に靄のこめた夕暮、ポツリと光る孤独な灯の色はその先に海岸でもあるような心....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
うその胸へ、グザと刃を描いて刺す時、膚を当てると、鮮紅の露を絞って、生血の雫が滴
点ると言います。 広間の壁には、竹箆で土を削って、基督の像が、等身に刻みつけて....
「生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
に、月のある晩は、月が見えるだろう、月の無い晩は、月の代りに向うの円い燈が明るく
点るだろう、と私は思った。 然しそういう過去と未来との間に、大きな空虚がぽかり....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
ランプが光っている。南ならば南、西北なら西北といつでも風向に応じて盤の豆ランプが
点るのである。内部の仕掛けは簡単なものでただ屋根の上に備えた風見鴉から針金を引き....
「澪標」より 著者:外村繁
を繰り返して考える。しかしもとより解決のつくはずはなかった。 私達の村に電灯が
点るようになったのは、その年の晩秋のことである。電柱に人が上っていると聞き、私は....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
かで、因の電気が来ていなければ、私がいくら骨折って縁にスイッチを捻りましても灯が
点るという結果が出て来ません。また、いくら因の電気が溢れるほどスタンドの口元まで....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
八さん、後でまた」
悄々と、立ち去った。
程なく――
ここの離屋には灯りが
点る。
夜食の膳には、眺えた酒がつき、酌み交わしている母子の間へ、勘定書が盆に....