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点出
「点出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る精神異常者」より 著者:田中早苗
れた。そのポスターの図案は、くっきりと濃い海碧色を背景にして、一人の自転車乗りを
点出したものであったが、まず一本の軌道が下へ向かってうねうねと幾重にも曲りくねっ....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
の屋上や隅田河畔のプロムナードや一銭蒸汽の甲板やそうした背景の前に数人の浅草娘を
点出して淡くはかない夢のような情調をただよわせようという企図だとすれば、ある程度....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
て会津へと帰る其途で、浅野長政に二本松で会した。政宗の様子は凡《す》べて長政に合
点出来た。長政はそこで上洛《じょうらく》する。政宗も手を束《つか》ね居てはならぬ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
、かたく口止をするつもりだ。だから心配は少しもない」 「そうですかなあ。私には合
点出来ませんね。それにあの杉田水兵なんかも、まだあのままにしてあるではありません....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
神作興旗」を戴き、神聖な富士山の頂きには大日章旗が翻るという風景が、至るところに
点出される。帝展の第四部工芸品部には日本刀が出品されるようになるし(これは某代議....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
は移った。…… ところで、天保銭吉原の飛行より、時代はずっと新しい。――ここへ
点出しようというのは、件の中坂下から、飯田町|通を、三崎町の原へ大斜めに行く場所....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
。この歌は大勢の若い女の心持が全体を領しているのであるが、そこに一人の美しい男を
点出して、その男を中心として大勢の女の体も心も運動|循環する趣である。一首の形式....
「小春」より 著者:国木田独歩
は白銀のごとくひかり、その間から武蔵野にはあまり多くない櫨の野生がその真紅の葉を
点出している。 『こんな錯雑した色は困るだろうねエ』と自分は小さな坂を上りながら....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
呼ばれている、流れ出した熔岩のかたまった焼石の原である。 その景色と、その上に
点出された馬上の二人と、まるで外国の絵のようだ。 熔岩の道は、だんだん爪先上り....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ついて話した。そうして、アリストテレスやプラトンの説をよく消化して、問題のうちに
点出した。彼は輪廻を学び、ピタゴラス(紀元前のギリシャの哲学者)の説を信ずるもの....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
霜を身の終り 星布 秋蝶や漆黒うすれ檜葉にとぶ みさ子 花讃の句は蝶を
点出して広野の長閑さを主観的によみ、かな女のは大正初期の句で之も芋のせい籠にくる....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
山川の景色らしく、句風もまことに美しい。 逢坂の句の方は、ゆくてに満開の山桜を
点出しその梢のあたりに車道が見えているというので、しいて車を見せなくともよいが、....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
で、天井板のようにガタピシする床には少からず閉口した。 私は油絵三点、彫刻を一
点出品したが、岸田劉生は一室を占領し、万鉄五郎また多数を出陳して気勢をあげた。真....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
王妃は先代の秀調、伯寧は八百蔵で、作者は朝鮮側の面目を立てるために忠勇なる伯寧を
点出して、それを当時売出しの八百蔵に勤めさせたのであった。 おおわらわの伯寧が....
「冷かされた桃割娘」より 著者:上村松園
な話をしたものです。その席上でも必ずお寺や町の好事家から昔の名画を参考品に七、八
点出されるのが例になっており、それを一生懸命写し取ったものでした。それから当時は....