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「点心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

点心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
えると、諸客は起きた。三娘子はさきに起きて灯をともし、かの焼餅を客にすすめて朝の点心とした。しかし趙はなんだか不安心であるので、何も食わずに早々出発した。彼はい....
太虚司法伝」より 著者:田中貢太郎
ぞ」 それは仏像が両手で腹つづみを拍って嘲笑っているのであった。 「今晩は好い点心にありついた、斎はいらないぞ」 仏像は背延びをするようにしてのろりのろりと....
田舎教師」より 著者:田山花袋
に興味を持つ人間と、詩や歌にあくがれている青年とがこうして長く相対してすわった。点心には大きい塩煎餅が五六枚盆にのせて出された。校長の細君は挨拶をしながら、顔の....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
、死を以て又志を行う――見物共は、物珍らしさに群れてきているが、わしを見た時、一点心に打たれる所があろう。それでいい。良心のある人間ならば、いつか、一度は、わし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い湯を一杯も飲んだなら、そうでなければ冷水の一つも振舞われたら、時にとってのよい点心《てんじん》になるかも知れない、と思ったけれど、あたりに鉄瓶《てつびん》もな....
細木香以」より 著者:森鴎外
贈らむがために画かせたものであった。 香以はこの屏風を横奪して、交山には竹川町点心堂の餡に、銀二十五両を切餅として添えて遺った。当時二十五両包を切餅と称したか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けて、あっちへ行った、こっちへ来たと騒ぎ立っています。 例の慢心和尚はこの時、点心《てんじん》でありました。膳に向って糊《のり》のようなお粥《かゆ》のようなも....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
「だが、兎に角こ奴は、ひょっとすると証人の責任問題になるかも知れませんから、その点心得ていて下さい」 そう云って蜂須賀巡査は、いささか気色ばんで帰って行った。....
日記」より 著者:宮本百合子
)雨 昨夜からの雨がはれない。びしょびしょと、五月雨が来たのか。 芥川氏の『点心』が出た。買いたい。 「火のついた踵」少々、調子よく行きそうなり、うれし。 ....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
蚊も飛ばず、絵の具皿の上には一点の塵もとどめませんのみならず、精神も清らかで、一点心を遮る何物もありません。こうして私は「雪月花」をやっと完成いたすことができま....
食道楽」より 著者:村井弦斎
肉《とうばにく》やら海参《なまこ》やら鴿《はと》のようなものを盛ったのが四色、四点心といってこれは魚鳥《ぎょちょう》や豚の肉と野菜とを固めたような料理が四色、そ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
沈めていたのである。――と、洗い物など干しおえた藤夜叉が、やがてそこへ、麦菓子の点心(茶うけ)に、茶を入れて運んできた。 「兼好さま、これは今朝見えたお人の、い....
私本太平記」より 著者:吉川英治
前夜からお待ちしており、ここで小憩の後、夕方までにご帰洛という順序。 律寺では点心(間食)の設けなどして、還幸のお立ちよりを、境内の紅葉とともに、お待ちうけし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
以上、勾当、別当、検校などの六、七十名だけが残って、しばらくは等持院の内で、茶と点心の饗をうけていた。 そこへ寺僧が入って来て、大勢の中へ告げた。 「……じつ....