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点綴
「点綴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点綴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
て、人や動物に接し、また草木ばかりになる、この変化のあるのでところどころに生活を
点綴《てんてつ》している趣味のおもしろいことを感じて話したことがあった。この趣味....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
ヴェスドル川の流域である。樫《かし》や※《ぶな》の森林におおわれた丘陵がその間を
点綴《てんてつ》していて、清い冷たい流れの激しい小川がその丘陵の間を幾筋も流れて....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
み》林があり、また樹立のあいだには小沼があって、キラキラ光る面が絶《き》れ切れに
点綴されているのだ。そして、そこから一段下がったまったくの底には黒い扁平《ひらた....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いそうな青黒い葉が、重たそうに繁り冠さり合い、その葉陰の所々に、臙脂や藤紫の斑が
点綴されていた。しかし、間もなく灯の中へ、ちょっと馬蓼に似た、見なれない形の葉が....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
なる。ここ嶮峻なる絶壁にて、勾配の急なることあたかも一帯の壁に似たり、松杉を以て
点綴せる山間の谷なれば、緑樹|長に陰をなして、草木が漆黒の色を呈するより、黒壁と....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
きれいな草地で、そして恰好の良いさまざまの樹草……松、梅、竹、その他があちこちに
点綴して居るのでした。 『ここは妖精の見物には誂向きの場所じゃ。大ていの種類が揃....
「初雪」より 著者:秋田滋
には、明るい家々が深緑の山肌を、その頂から麓のあたりまで、はだれ雪のように、斑に
点綴しているのが望まれた。 海岸通りにたち並んでいる家では、その柵のところに鉄....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
へ落ちた。でも、また、すぐに、川風に煽られ、舞い上がり、藪や、小丘や、森や、林の
点綴られている、そうして、麦畑や野菜畑が打ち続いている平野の方へ、飛んで行った。....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ており、木曽川へ流れ込む黒川の流域、貝坪、古屋敷、馬橋、ヒゲ沢渡、等々の小部落を
点綴したところの、一大地域の総称であって、その中には大森林や大渓谷や瀧や沼があり....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
さに友釣りの快技に興をやる日が迫ってきた。これから中部日本を流れる代表的な峡流に
点綴される釣り風景と、鮎の質とを簡単に紹介しよう。 二 鮎の多摩川が、東....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
。畦の雑木も葉が落ち尽し梢は竹藪と共に風に鳴っている。下手の背景は松並木と稲村の
点綴でふち取られた山科街道。上手には新らしく掘られた空堀、築きがけの土塀、それを....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
いきれのする裾野路。淙々たる渓流の響。闊葉樹林。駒鳥の声。雪渓。偃松。高山植物を
点綴した草野。そして辿り着いた尾根上の展望。三人はここにルックを投げだして暫く楽....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
れを見るに、穴はすなわち女山式の水抜き穴で、これを連絡している筈の列石の明らかに
点綴さるるところ、疑いもない神籠石だ。そもそも当山における神籠石の遺蹟は、古人は....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
劣らず美しいものであった。上流は針葉樹が多いだけに、黄の勝った華やかな色が其間を
点綴しているに過ぎないが、下流の方へ行くに従って闊葉樹が増すと共に赤が加わり、色....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
る水の音に震動して、話声などはもうとうに聞えなくなった。この恣な自然の中に小さく
点綴された私達の姿は、惨めなものであったに相違ない。 岩が大きくなると水は其下....