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「烈女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

烈女の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
皮膚と心」より 著者:太宰治
れたら、私は身の毛もよだつ思いで、わなわなふるえ、申し上げます、お助け下さい、と烈女も台無し、両手合せて哀願するつもりでございます。考えるさえ、飛び上るほど、い....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
さて一方に無恥不義きわまる神職をして破壊主義の発生を妨遮せしめんとするは、娼妓に烈女伝を説かしめ、屠者に殺生禁断を主張せしむるに異ならず。 むかし隋の煬帝《よ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、怪美人は「イイエ、親類でも知人でも有りません」と答えた。益々不思議だ、是が貞女烈女の墓とか賢人君子の墓とか云えば、知らぬ人でも肖《あや》かり度いと思って或いは....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
武と刺違って死のうとさえいい、又実行しかねない勢だった。この事を野村の父は「真に烈女というべし」といって感嘆している。今日の言葉でいえば所謂母性愛の発露であろう....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
て見るとどうやら叔母の心意気が飲込めなくなり出した。 成程叔母は賢婦でも無い、烈女でもない、文三の感情、思想を忖度《そんたく》し得ないのも勿論の事では有るが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のタワイのない、浅ましいところが、あいつの身上で、あれが、なまじい賢婦ぶりをし、烈女気取りをはじめたら、もう取るところはない。あれはあれでいいんだが、さて、これ....
細木香以」より 著者:森鴎外
は、微塵数のパルヴニュウは皆守銭奴となって懺悔し、おいらん王を立つるときは、貞婦烈女も賢妻良母も皆わけしらずのおぼことなって首を俛るるであろう。 名僧智識の宗....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
外にもこの墓参が大へんに里人の感激の種子となったのでございます。『小櫻姫は本当に烈女の亀鑑だ。まだうら若い身でありながら再縁しようなどという心は微塵もなく、どこ....
庚娘」より 著者:田中貢太郎
た。開けて見ると庚娘の書いた物があって、精しく復讎の事情を記してあった。皆庚娘を烈女として尊敬し、金を集めて葬ることにした。夜が明けて見に集まって来た者が数千人....
剣侠」より 著者:国枝史郎
て、相手を圧してそう云った。 「ふうむ」と嘉門は唸り声を上げた。 勿論この女、烈女型で、尋常に口説いて落ちるような、そんな女ではあるまいと、そういうことは推し....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
うな、わけのわからぬ方針が久しく立っていて、死ぬほどの不幸が家に起こらぬかぎり、烈女の名は世に現われる機会がなく、したがって手本とする前代の婦人の、大多数は剣に....