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「烈日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

烈日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薄明」より 著者:太宰治
の炎熱がやって来て、石榴《ざくろ》の濃緑の葉が油光りして、そうしてその真紅の花が烈日を受けてかっと咲き、葡萄棚《ぶどうだな》の青い小粒の実も、日ましにふくらみ、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たりに、二、三本ぐらいずつ栽え残されているに過ぎなくなった。しかも盛夏の赫々たる烈日のもとに、他の草花の凋れ返っているのをよそに見て、悠然とその大きい花輪をひろ....
島原の乱」より 著者:菊池寛
救うであろうとあるが、今年は正にその時に当る」と流言を放った。丁度この夏は干魃で烈日雲を照し、島原では深江村を始め時ならぬ桜が開いたりしたから、人民は容易にこれ....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
るに随はず。天命歴然として遁るゝ処なし」とある。少し仏法臭を帯びては居るが、秋霜烈日の如き遺言である。名高い桜井の訣別の際の教訓にしてもそうだが、兎に角|斯うし....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
「国政多難の昨今、廟堂に立つものにその位の敵あるは当り前じゃ。行けい」 秋霜烈日とした声だった。 斥けて対馬守は眼鏡をかけ直すと、静かに再び書見に向った。....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
◇ こんな風だったから翁が恐れられていた事は非常なものであった。実に秋霜烈日の如き威光であった。 能の進行中、すこし気に入らぬ事があると楽屋に端座して....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
るめえし、増長しやがるからだ。」 手の裏かえす無情さは、足も手もぐたりとした、烈日に裂けかかる氷のような練絹の、紫玉のふくよかな胸を、酒焼の胸に引掴み、毛脛に....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
――なんかと、国旗の色をぶどうのモロッコ従軍歌が、いま糖蜜のようなイベリヤ半島の烈日に熔けて爆発している――AA! 闘牛日のMADRID! 欧羅巴はピラネエ山....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
たもので、明治大正昭和に亘って思想界宗教界の巨人であった。ことにその厳として秋霜烈日的なる人格は深く畏敬せられ、自ずと衆人に襟を正さしむるものがあった。そして中....
地上」より 著者:島田清次郎
した」と思った。そしてあきもせずこつ/\縫物の針を真面目に運ばせた。真夏の濃緑と烈日が彼女にある圧迫を与えたが、静かな彼女の心はそっとその圧迫をやりすごしていた....
音に就いて」より 著者:太宰治
もたえだえの思いであった。 ヘロインは、ふらふら立って鎧扉を押しあける。かっと烈日、どっと黄塵。からっ風が、ばたん、と入口のドアを開け放つ。つづいて、ちかくの....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
、あの魔海に入りどうして抜けでたのか。しばらく全員は阿呆のように、じりじりと照る烈日のしたで動かない。 やがて、その子は手当をされ船室で寝かされた。折竹は、い....
我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
たりに、二、三本ぐらいずつ栽え残されているに過ぎなくなった。しかも盛夏の赫々たる烈日の下に、他の草花の凋れ返っているのをよそに見て、悠然とその大きい花輪をひろげ....
グーセフ」より 著者:神西清
いない。窓の外を見ている。透明な、柔らかいトルコ玉色をした海面は、眼も眩むような烈日を浴びて、小舟を一つ揺すっている。その舟に、裸のシナ人がカナリヤの籠を高く差....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
思うと直ぐ消えてしまう。祖父岳から北に連なる後立山山脈の群峰は、真額から直射する烈日の光に照り映えて、著しく赤味のさした紫藍の肌には物の隈もない。近く眼の前に聳....