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烏合
「烏合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
烏合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
りようがなかろうと云うなら体面に係わる。決して退却は出来ない。諺《ことわざ》にも
烏合《うごう》の衆と云うから三羽だって存外弱いかも知れない。進めるだけ進めと度胸....
「如是我聞」より 著者:太宰治
本能寺あたりにだけあるように思われる。そうして、所謂官軍は、所謂賊軍を、「すべて
烏合の衆なるぞ」と歌って気勢をあげる。謀叛は、悪徳の中でも最も甚だしいもの、所謂....
「からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
とになる。すなわち一か所につき八十人あてということになる。さて、なんの覚悟もない
烏合の衆の八十人ではおそらく一坪の物置きの火事でも消す事はできないかもしれないが....
「春寒」より 著者:寺田寅彦
頭に今残っていないが、全盛の頂上から一時に墜落してロシアに逃げ延び、再びわずかな
烏合の衆を引き連れてノルウェーへ攻め込むあたりからがなんとなく心にしみている。そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に警戒が届いている。ことにこのごろ、募集した歩兵隊――一名|茶袋《ちゃぶくろ》は
烏合《うごう》の寄せ集めで、市民をいやがらせながらも、ともかくも新式の武器を持っ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
、男性的力を頼りとする砂漠の民兵等をひどく動揺させた。指揮者を失えば彼等は単なる
烏合の衆である。故郷へ帰った方がよいとの囁きが起り、逃亡がはじまった。 天幕の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らゆる抵抗は皆罪あるものとなる。時として民衆は誤って自己に不実となることがある。
烏合《うごう》の衆は民衆に対する裏切り者である。たとえばあの塩密売者らの長い間に....
「烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
ことになる。すなわち一箇所につき八十人|宛ということになる。さて、何の覚悟もない
烏合の衆の八十人ではおそらく一坪の物置の火事でも消す事は出来ないかもしれないが、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
議論に於て、大久保に優るものなく、その明断に於て西郷に優る者なく、謂わば、これ、
烏合《うごう》の徒だ」
「何?」
「俺はとにかく、一人で、江戸までの途中で、元兇....
「瘤」より 著者:犬田卯
のお蔭を被って滞りなく小作米を取り立てていた。 自小作農にいたっては遺憾ながら
烏合の衆というよりほかなかった。「同じ喰われるにしたところが、有志たちが十喰われ....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
れる夷なれば、我先きにとぞ落ちにける。 これは東国武士ならで、平家方の諸国より
烏合せる兵士を言えるなり。 この武士をエビスということにつきて、近刊の文学士菊....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
れを一々かぞえたら随分批難すべき点も多いらしいが、ともかくも江湖流落のボロ書生が
烏合未熟の一座を率いて、殆んど東西をわきまえない東京のまん中へ打って出て、苦戦悪....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
じた。当時の(あるいは今でも)支那の軍制は極めて不備であって、各省兵勇はあたかも
烏合の無頼漢のようなものだったから、組織的に訓練された学堂出身の警吏は兵勇よりも....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
本の有無《うむ》にかかわらず自分さえやる気になれば為すべき事業は沢山ある。男女|
烏合《うごう》の徒《と》を集めて芝居をしてさえもし芸術のためというような名前を付....
「イエスキリストの友誼」より 著者:新渡戸稲造
御覧なさい。尾を振ってグウグウ唸って友を呼でいるのではないか。犬すらそうだ。また
烏合《うごう》という文字がある。烏《からす》もお友達を求め歩いている。けれどもこ....