烏天狗[語句情報] » 烏天狗

「烏天狗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

烏天狗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
なものを見た。 囃子は笛二人、太鼓二人、踊る者は四人で、いずれも鍾馗のような、烏天狗のような、一種不可思議の面を着けていた。袴は普通のもので、めいめいの単衣を....
十二支考」より 著者:南方熊楠
れまた卵胎湿化の四生あり、迦楼羅《かるら》鳥王とて、観音の伴衆《つれしゅ》中に、烏天狗《からすてんぐ》様に画かれた者だ。これは欧州やアジア大陸の高山に住む、独語....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
天狗の配下に属する眷属は、 中天狗、小天狗、山水天狗、独天狗、赤天狗、青天狗、烏天狗、木っ葉天狗 といったようなもの共で、今日でも盛んに江湖専門の道場を開い....
十二支考」より 著者:南方熊楠
小魚、和名はウミテング、その形怪異で牛若丸の対手《あいて》としていつも負けている烏天狗や応竜の日本画に似、英語で海竜《シードラゴン》という。予かつて生きた品を獲....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
き、あるいは天狗と書く。これは彼のそのときの気持次第である。世人は漸くこの奇賊を烏天狗とは呼び始めた。 被脅迫者の苅谷氏は、この段、繭子夫人まで報告してあまり....
ブルジョア作家のファッショ化に就て」より 著者:宮本百合子
の昔噺を想い出した。 ある恐ろしい山道で一人の百姓が天狗に出遭った。天狗は既に烏天狗の域を脱して凄い赤鼻と、炬火《たいまつ》のような眼をもった大天狗だ。天狗は....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
る仮面の顔がよほど妙なものである。ちょっと恵比寿に似たようなところもあるが、鼻が烏天狗の嘴のように尖って突出している。柿の熟したような色をしたその顔が、さもさも....
多神教」より 著者:泉鏡花
。――(梢より先ず呼びて、忽ち枝より飛び下る。形は山賤の木樵にして、翼あり、面は烏天狗なり。腰に一挺の斧を帯ぶ)御矢をばそれへ。――(女の童。階を下り、既にもと....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
りをして、両袖を突っぱり、 「や、ごめん」 と、軽く言って、ちょうど質ながれの烏天狗のような恰好でヒョロヒョロと歩いて行ってしまった。 ひきそっていた千太の....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
廻った天狗様を祀り籠めた処があるんですって。――(これ古服は黒し、俺は旅まわりの烏天狗で、まだいずれへも知己にはならないけれど、いや、何国の果にも、魔の悪戯はあ....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
日輪坊・月輪坊・天実坊・静弁坊・道恵坊・蓮知坊・行珍坊以下、名もない木の葉天狗・烏天狗の末に至るまで、御眷属の護法が甚だ多いので、一とたび足を鞍馬の境内に入れた....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
も迅い。 こっちの姿を目がけて、むこうから素ッ飛んで来る城太郎の影は、ちょうど烏天狗の雛子というところだ。 近づくに従って、その猪口才なかっこうを明らかに眺....
私本太平記」より 著者:吉川英治
汰にさせてしまった。――なぜなれば、むらがり立ッたものは、人間でなく、ことごとく烏天狗であったからだ。 これは、大和田楽の組と、花夜叉の組が申しあわせて、こよ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
華雲殿に招いてやったこともある。……ところが這奴め、大酒に食べ酔うて、田楽どもの烏天狗の姿を借り、この高時をしたたかな目にあわせおった。わしを華雲殿のただ中に投....
武蔵旅日記」より 著者:山中貞雄
感心した。 武蔵、立ち上ると、傍の草叢の方へ行く。 団九郎尚も亭主に、 T「烏天狗 二十や三十」 鼻へし折って、と手振り身振りで威張り出す。 フト武蔵....