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焚き火
「焚き火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焚き火の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
小屋から、一人寄り二人集まり、がやがやと吾亮の屍《しかばね》を取り巻いた。やがて
焚き火が始められた。そこから一番遠い地点にある吾亮の家には、知らせずにおく筈だっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いる。焼け残った青い松葉もそこらに散っている。かれらは夜寒《よさむ》を凌ぐために
焚き火をして、その煙りに窒息したのではないかともおもわれたが、ふたりは松葉などを....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
した。生皮をあつかうのはむずかしい仕事であるが、伝吉は少しくその心得があるので、
焚き火の前でどうにかこうにかその腹を割《さ》いて其の皮を剥《は》いだ。しかし肝腎....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
迎えに出揃った居留民達のどの胸にも、浸潤しているところのものだった。 兵士達が
焚き火を始めた。その焔が、ぱッと燃え上った。柿本は、自分の膝に崩折れかゝったこの....
「前哨」より 著者:黒島伝治
は、床も棚も、腰掛けも、木片一ツもなかった。たゞ、比較的新しいアンペラの切れと、
焚き火のあとがあった。恐らく、誰れかの掠奪にでもあったのだろう。 「おや、おや、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に召されて――」 と玄蕃、ポンポンと手をたたくと、かねて手はずの山駕籠が一丁、
焚き火の光のなかへかつぎこまれて来る。 「御遠慮無用。サ、これへ……」 逃がす....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
たくをいそぐ。まず芝生に筵《むしろ》を敷き、あちこちに、枯れ枝薪などを積み集めて
焚き火の用意をし、菰被《こもかぶ》りをならべて、鏡を抜き杓柄《ひしゃく》を添える....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
\した。 タバコ(休憩時間のこと)には耳鳴りは一層ひどくなった。他の労働者達は
焚き火にあたりながら冗談を云ったり、悪戯をしたりして、笑いころげていたが、京一だ....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
た。やがて為吉が帰ると、彼女はまっ先に手紙を見せた。 為吉は竈の前につくばって
焚き火の明りでそれを見たが、老いた眼には分らなかった。彼は土足のまゝ座敷へ這い上....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
マリアの小村では、人々が安らかに眠っていた。 ひとりの祭司長の庭園では、赤々と
焚き火が燃えていた。パリサイの学者、サンヒドリンの議員、それらの人々が焚火の側で....
「小豆島」より 著者:黒島伝治
集っている時、農村の話をし社会主義の話をしたものである。戸は閉めきってあったが、
焚き火もしなければ、火鉢もなかった。で親爺に鼻のさきに水ばなをとまらせていたもの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「思うざま、名残りを尽せ」 と、全城に振舞った。 いつにない大どかな炊ぎの
焚き火が、砦の丘をあかあかと浮きあがらせた。その頃まではまだ一員の脱落者もみえな....