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「焚物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焚物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
節約が行なわれているに、パルプの輸出国たるカナダにおいてはその処分に困ってこれを焚物にしているという話さえもきく。この際世界各国人の必要とすることは、事物の根本....
」より 著者:岡本綺堂
などの腰かけ三脚ほどあり。正面は粗末なる板戸の出入口。下のかたには土竈、バケツ、焚物用の枯枝などあり。その上の棚には膳、碗、皿、小鉢、茶を入れたる罐、土瓶、茶碗....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
の傍らには大いなる土竃ありて、棚には茶碗、小皿、鉢などの食器をのせ、竃のそばには焚物用の高粱を畑を隔てて、大連市街の灯が遠くみゆ。 (家の妻柳、四十余歳。高粱を....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
まだ其のほかに貰い湯というものがあった。正月と盆の十六日は番頭の貰い湯と称して、焚物の実費だけを主人に支払い、入浴料はすべて自分の所得となるので、当日は番頭自身....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。 「おい、お若いの、手伝ってくれ」 「何をするのだ? え、何を?」 「うん、焚物を目付けたのだ」 「枯木でもあるのか? 枯木でも?」 「土塀の屋根だ。構うも....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
かである。燈火が金屏に栄えている。円窓の障子に薄蒼く、月の光が照っている。馨しい焚物の匂いがして、唐金の獅子型の香炉から、細々と煙が立っている。 なやましい春....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
ました。では白湯なりと戴きましょう」 「差し上げたくはございますが、お湯を沸かす焚物がございません」民弥はやっぱり相手にしない。 これにはどうやら弁才坊も少し....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を背負い十字にからげて担ぎこんだ男がいたぜ。そんなものを、どうするのだえ。フロの焚物にするがいいや、と云ってやったら、刀をぬいて斬りこみそうな剣幕で怒りやがった....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
中や堤《どて》を越して無法に逃げて行《ゆ》く、と一軒|茅葺《かやぶき》の家の中で焚物《たきもの》をすると見え、戸外《おもて》へ火光《あかり》が映《さ》すから、何....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
消えてまた返らずさ。というのも、人間というやつが元来無精者で、腰をまげて地面から焚物を拾うだけの才覚がないからさ。(エレーナに)そうじゃないでしょうか、ねえ、奥....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
どよくしてある、水は前の方十間ばかりのところに汲揚ポンプがある、水質は悪くない、焚物は裏山から勝手に採るがよろしい、東々北向だから、まともに太陽が昇る(この頃は....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
寄って腰を下ろして、長い間その上に伸しかかっていた。そうしなければ、こんな一握の焚物からは暖かいと云うほんの僅かな感じでも引き出すことは出来なかったのだ。煖炉は....
塩花」より 著者:豊島与志雄
した。」 彼女は胸の荷を焚火のそばに投りだして、子供の方へ言った。 「たくさん焚物を貰ってきましたよ。」 子供相手に、彼女はひどく嬉しそうだった。胸元や、帯....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
なく詰寄せてくる太刀に気は苛立ちながら、押され押されして次第に追込まれる。軒下に焚物の枯松葉が積んであったが其処まで押つけられてしまった。散らかしてある松の小枝....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もすがら火を焚いて置けば、夜具蒲団は無くともけっこう夜を過ごせる、一歩外へ出れば焚物に不足はなし、外へ出るまでもない、炉辺には、もう夥《おびただ》しい薪が、しか....