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無
「無〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
みせ》を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消え失せない。門の前に飛びかう
無数の鳩《はと》。
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雷門《かみなりもん》から縦に見....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
啣《くわ》えたまま、もう火のはいった行燈《あんどう》の前に、刀を腹へ突き立てて、
無残な最後を遂げていた。甚太夫はさすがに仰天《ぎょうてん》しながら、ともかくもそ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
いながら、
「何か面白い話でもありましたか。」
「いえ。不相変《あいかわらず》の
無駄話ばかりでございます。もっとも先刻、近松《ちかまつ》が甚三郎《じんざぶろう》....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
支那服を着せられた妙子が、じっと椅子に坐っていました。さっき窓から落した手紙は、
無事に遠藤さんの手へはいったであろうか? あの時往来にいた人影は、確に遠藤さんだ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した覚えも皆
無である。菊池となら一日ぶら/\していても、飽きるような事はなかろうと思う。(尤....
「狂女」より 著者:秋田滋
絶望の底にあるこの魂のなかでは、どんなことが起っていたのだろう。それは知るよしも
無かった。彼女はもう口をきかないんだからね。死んだ人たちのことでも考えていたのだ....
「墓」より 著者:秋田滋
眼のなかに狂的な悦びを注ぎ込み、わたくしに、雀躍りをしたいような、そこらじゅうを
無茶苦茶に馳けてみたいような、大地の上をごろごろ転げ※りたいような気持を起させる....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
まっていた。ところが今夜、晩の食事を了ってからのことである。私にはすべてのものの
無のうえに新たな一と条の光明が突如として現れて来たのだ。 私はこれで元は快活な....
「初雪」より 著者:秋田滋
あろう。けれども、両親の意に逆らうのもどうかと思う心から、ただ頸をたてに掉って、
無言のうちに「行く」という返事をしてしまったのだった。彼女は物ごとを余りくよくよ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
さを加え、いずこともなく聞く絃声流るるに似て清し。月あれども地上の光天をかすめて
無きが如く、来往の船は自ら点す燈におのが形を示し、棹に砕けてちらめく火影櫓行く跡....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
偉人の伝記というと、ナポレオンとかアレキサンドロスとか、グラッドストーンというようなのばかりで、学者のはほとんど
無いと言ってよい。なるほどナポレオンやアレキサンドロスのは、雄であり、壮である。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
をかけられた地方につきまとう主領の精霊で、空中の魔力の総大将とおぼしいのは、首の
無い騎士の亡霊である。ある人たちのいうのには、これはヘッセからアメリカに渡った騎....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
ているところへ来ると、彼等はきまって足をとめた。神のお引合わせということもある。
無慈悲な運命にも泪はあろう。あるとも思われないような万が一の※り合わせということ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
のを保護することを生涯の仕事とした。詐欺師や殺人犯人達にとって、彼ほど怖いものは
無かった。という訳は、心の底にかくしている考を見破られ、一と眼で肚の中をすっかり....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
で、色が真黒になって、百姓の子供として恥かしくないような顔になってしまいました。
無論着物なぞも、百姓の子供の着るようなものを着せていたので、ほんとに太郎右衛門夫....