無い[語句情報] »
無い
「無い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
検非違使《けびいし》には、やっとこれだけの事がわかった。そうして、阿濃は、罪の
無いのが明らかになったので、さっそく自由の身にされた。
それから、十年余りのち....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。玄鶴は彼の顔を見る度にいつも唯「ああ」とか「お帰り」とか答えた。その声は又力の
無い、声よりも息に近いものだった。重吉は舅にこう言われると、時々彼の不人情に後ろ....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
たる》を起して横になっていた。下痢《げり》は一週間たってもとまる気色《けしき》は
無い。そこで元来は弟のためにそこに来ていたNさんに厄介《やっかい》をかけることに....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
郎《やさぶろう》の恩返しは?」――その哄笑はこう云うのです。「お前はもう甚内では
無い。阿媽港甚内はこの首なのだ、あの天下に噂の高い、日本《にっぽん》第一の大盗人....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
自分でもそうと気がつくが、現についている時には、全然結果の予想などをする余裕は、
無いのである。
平吉は自分ながら、何故そう嘘が出るのだかわからない。が人と話し....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
福門《びふくもん》の外は、よく狐火の燃える所だけに、何となく鬼気が身に迫って、心
無い牛の歩みさえ早くなるような気が致されます。――そう思うと、急に向うの築土《つ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ゆ》かないことにしているんですから。……」
「まあ、取ってお置きなさい。これでも
無いよりはましですから。」
「実際必要はないんです。難有《ありがと》うございます....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
たんです。いつ行って見ても、「名金《めいきん》」だの「ジゴマ」だのって、見たくも
無いものばかりやっているじゃありませんか。しまいには私も、これはもう縁がないもん....
「路上」より 著者:芥川竜之介
|解剖《かいぼう》を人道に悖《もと》ると云って攻撃したんだ。」
「あれで苦しくは
無いんでしょうか。」
「無論、苦しいも苦しくないもないんです。」
初子は眉一つ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
ったり死んでしまいました。それは実に呆《あ》っ気ない死です。同時にまた実に世話の
無い死です。――
「フライ鍋の中へでも落ちたようですね。」
「あたしは毛虫は大嫌....
「初雪」より 著者:秋田滋
ちまうから――。だって、この僕が永年ここで暮していて、ついぞ退屈したなんてことが
無いんだからね」 その日は暇さえあると二人は接吻ばかりしていた。で、彼女はその....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
偉人の伝記というと、ナポレオンとかアレキサンドロスとか、グラッドストーンというようなのばかりで、学者のはほとんど
無いと言ってよい。なるほどナポレオンやアレキサンドロスのは、雄であり、壮である。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
をかけられた地方につきまとう主領の精霊で、空中の魔力の総大将とおぼしいのは、首の
無い騎士の亡霊である。ある人たちのいうのには、これはヘッセからアメリカに渡った騎....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
があるもの。それは何ものにも係りを持たない。その足と大地との間には何のつながりも
無い。地上にうごめく生命の一片。しかも、どこから来たのか、とんと見当がつかぬその....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
である。)僕はそこへ通っているうちに英語や数学を覚えた外にも如何に僕等人間の情け
無いものであるかを経験した。こういうのは僕の先生たちや友だちの悪口をいっているの....