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「無き世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無き世の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
弟子」より 著者:中島敦
いは、とっくに承知している。今の世に道を説くことの危険さも知っている。しかし、道無き世なればこそ、危険を冒《おか》してもなお道を説く必要があるのではないか。」 ....
光と風と夢」より 著者:中島敦
一時間もそうしていたろうか。 やがて眼下の世界が一瞬にして相貌を変じた。色無き世界が忽《たちま》ちにして、溢《あふ》れるばかりの色彩に輝き出した。此処から....
風流仏」より 著者:幸田露伴
慾は百ついて帰そうより他なく、恨はつき損ねた時罪も報も共に忘れて、恋と無常はまだ無き世界の、楽しさ羨しく、噫無心こそ尊けれ、昔は我も何しら糸の清きばかりの一筋な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しては、最後にまた絶え入るばかり、よよと泣き沈む…… そういう伝説が、パッと縁無き世間にまで広まりわたっている。 右の一条の物語を尼さんから聞かされて、はじ....
学生と読書」より 著者:倉田百三
いならば、そのような書物についにはあうことができるであろう。 四 書物無き世界 人間教養の最後は、しかしながら、書物によるものではない。人は知性と、....