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無し
「無し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
だけではない。他の学者もこれを行って見たに違いない。ただファラデーのように、結果
無しと書いたものが残っておらぬだけだ。 ところが、これとは別に次のような発見が....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
合せていた、この若い呉服屋《ごふくや》の主人は、短い口髭《くちひげ》に縁《ふち》
無しの眼鏡《めがね》と云う、むしろ弁護士か会社員にふさわしい服装の持ち主だった。....
「白」より 著者:芥川竜之介
《もんしろちょう》が一羽、気楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょうから宿
無し犬になるのか?」
白はため息を洩《も》らしたまま、しばらくはただ電柱の下に....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
え、挨拶一つして行きません。ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、一文
無しになって見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸そうという家は、一軒もなくな....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のでした。『誰人も迎えに来てくれるものはないのかしら……。』私はまるで真暗闇の底
無しの井戸の内部へでも突き落されたように感ずるのでした。 ほとんど気でも狂うか....
「或る女」より 著者:有島武郎
わたしお金まで借りていますもの」
とさも当惑したらしくいうと、
「あなたお金は
無しですか」
木村は葉子の当惑さを自分の顔にも現わしていた。
「それはお話しし....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いた間に、君の家では家じゅうで忙しく働いていたのに違いないのだ。建網に損じの有る
無し、網をおろす場所の海底の模様、大釜を据えるべき位置、桟橋の改造、薪炭の買い入....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ことが出来ない、愛憎のかなたにある愛、そういうものがあるだろうか。憎愛の二極を撥
無して、陰陽を統合した太極というような形の愛、それは理論的に考えて見られぬでもな....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ると男になって、老耄が生れ代ると業で女になるんだ。あり相で居て、色気と決断は全然
無しよ、あるものは慾気ばかりだ。私は思わずほほ笑ませられた。ヤコフ・イリイッチを....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
この工学者の堅い信念が現われているのである。マイヤーの論文の中には『虚無からは虚
無しか出てこない』と言ったような文句がうようよするほどある。彼は頭から爪先まで仕....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
味を言って、強請がましいことを、愚図々々言ってますのです。私も顔を知らない中では
無し、黙っても居られませんから、宥めてやりましたので、何事も無くて済みましたが、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
声をかけて見ようと思う、嫗は小屋で暗いから、他の一人はそこへと見|遣るに、誰も
無し、月を肩なる、山の裾、蘆を※の寝姿のみ。 「賢、」 と呼んだ、我ながら雉子....
「活人形」より 著者:泉鏡花
しましょう。と帽子を取って目深に被り、戸外へ出づればかの男は、何方へ行きけん影も
無し。脱心たりと心|急立ち、本郷の通へ駈出でて、東西を見渡せば、一町ばかり前に立....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
も葉も挙げて気に入らない。余所で紹介をお求めなさるなり、また酒井先生は紹介の有り
無しで、客の分隔をするような人ではないから――直接にお話しなすって、御縁があれば....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
一動揺。 中に、目の鋭い屑屋が一人、箸と籠を両方に下げて、挟んで食えそうな首は
無しか、とじろじろと睨廻わす。 もう一人、袷の引解きらしい、汚れた縞の単衣もの....