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無になる
「無になる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無になるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
《ジンギスカン》 (駈け寄ってそれを叩き落す)何をする! 君が死んでは、僕の志は
無になる。さあ、朝になった。いま木華里《ムカリ》に送らせますから、どうぞ、城中へ....
「加護」より 著者:宮本百合子
明されたことになった。お恵さんのためにも、ここで止めては、今までの辛棒も、まるで
無になると、思わずにはいられなくなったのである。 まして、物事には、何でも峠が....
「厨房日記」より 著者:横光利一
に個人を無にしなければならぬ。つまり、生活の秩序を完成さすためには人間は意志的に
無になる度胸を養成しなければならぬ。日本文化の一切の根柢はこの無の単純化から咲き....
「「迷いの末は」」より 著者:宮本百合子
界に類例のない認識秩序の美しさ」その「生活の秩序を完成さすためには人間は意志的に
無になる度胸を養成しなければならぬ」而して「嘘のようなうつつの世界から」「一足さ....
「ある遊郭での出来事」より 著者:若杉鳥子
もないかも知れない、一度こうした変死者を出すと、その抱え主の楼では、死者の借金が
無になる許りでなく、連想を忌んで、当分その家へ遊びにゆくものがなくなり、ぱったり....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
だか一種の美しい事のような心持がしたし、またその時考えていた死と云うものは、有が
無になるような大事件ではなく、ただ花が散ってその代りに若葉の出るようなほんのちょ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くだけです。 文学の領域にもこの頃は人情ごのみでね。横光氏曰ク「義理人情の前に
無になる覚悟が必要云々」と。こういう作家は「人情としては実に忍び難いが云々」と云....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
ぞと言い聞かせている。しかしやはり肚の底には多少は何かを恐れている。この恐怖の有
無になると、室生犀星は頗る強い。世間に気も使わなければ、気を使われようとも思って....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
い。わしが、生きておれるなら、生きておってもよい。然し、死んだとて、わしの志は、
無になるまい。久光初め、重役、有為なる若者が、必ず継いでくれよう。わしは、それを....
「ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
線上で同量の二力が衝突する時はともに無となって仕舞うが、曲線上で衝突する時は中々
無になる場合は少い、又直線的で反対の力が互に衝突する時は反射して走しる力の有様が....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
から船に御馳走と酒とを積み込ませて大悲閣まで漕ぎ上ぼせた。船に積まれた御馳走の皆
無になるまで二人は嵐山の山影を浴びて前途の希望を語り合った。後年子規居士は、自分....