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「無上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
胸を反《そ》らせて、 「横川《よかわ》の僧都は、今|天《あめ》が下《した》に法誉無上《ほうよむじょう》の大和尚《だいおしょう》と承わったが、この法師の眼から見れ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
受けない京阪辺の紳士諸君はすっぽんの汁を啜《すす》った後、鰻を菜に飯を食うさえ、無上の快に数えているではないか? 且《かつ》又水や寒気などにも肉体的享楽の存する....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
》じゃと云う事を忘れて居った。牧牛の女難陀婆羅、世尊に乳糜を献じ奉る、――世尊が無上の道へ入られるには、雪山《せつざん》六年の苦行よりも、これが遥かに大事だった....
少年」より 著者:芥川竜之介
いにも少年時代へ彼を呼び返した。彼はまず何を措《お》いても、当時の空想を再びする無上の快楽を捉えなければならぬ。―― 硝煙は見る見る山をなし、敵の砲弾は雨のよ....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
この顔色の悪い少年は絶えず毒を持った質問を投げつけ、人の好い教師を悩ませることを無上の愉快としているのだった! 信輔は試験のある度に学業はいつも高点だった。が....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
除して、千万人といえども吾行かんの概を以て、宇宙間の隠微を探るべく勇往邁進する。無上の幸福、無上の満足がその間に湧き出る。天地間の宝蔵は無限であるから、彼は毫も....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
類がなお地上の王なる左券として、長くこの世に栄えるだろう。 然し私はこの生活に無上の安立を得て、更に心の空しさを感ずることがないか。私は否と答えなければならな....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
とさらったので、彼が云う様に憐れな甲虫は水に陥って、油をかけた緑玉の様な雙の翊を無上に振い動かしながら、絶大な海の力に対して、余り悲惨な抵抗を試みて居るのであっ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
椅子からすべり下りると敷石の上に身を投げ出して、思い存分泣いた。その小さい心臓は無上の歓喜のために破れようとした。思わず身をすり寄せて、素足のままのフランシスの....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
方法を知っているものは天文に通じた僧侶だけであったので、彼らは王侯や人民に対して無上の権力を得るようになった。この信仰は実に今から数世紀前までも迷信的な人類を支....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
抱する。が、もう叶わぬ、臨終という時、 (われは僧なり、身を殺して仁をなし得れば無上の本懐、君その素志を他に求めて、疾くこの恐しき魔所を遁れられよ。) と遺言....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ひそひそ笑っているとの話であった。 そういう次第だから、作おんなのお増などは、無上《むしょう》と民子を小面《こづら》憎がって、何かというと、 「民子さんは政夫....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
事も自分より上手と敬しておったおとよに対し、今日ばかりは真の姉らしくあったのが、無上に嬉しい。 「それではもうおとよさん安心だわ。これからはおとッつさん一人だけ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
一銭銅貨一枚であろうが、とにかく「塵一本」でも「自分のもの」として蓄め込むことに無上の法悦(?)を感ずるRにとって、それは不可抗の誘惑だったに相違ない。ひょっと....
西航日録」より 著者:井上円了
シナ人は飲酒をたしなまざるもののごとし。ただ飲酒の代わりに、阿片を喫するをもって無上の楽しみとするのみ。日本人は阿片の代わりに飲酒をたしなむ。阿片もとより害あり....