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無代
「無代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無代の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
異性に対する淳朴《じゅんぼく》な信頼を失ってさっぱりと諦《あきら》むる心は決して
無代価で生れたものではない。「思ふ事、叶はねばこそ浮世とは、よく諦めた無理なこと....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
そこへ岡本吾亮が素晴らしい話を持って帰って来たのだった。――彼の知人が北海道に
無代で提供してもいい百五十万坪という莫大な土地を持っているという話だった。併しそ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
変らず旨えものを食してやるのよ。黙って入物を出しねえな。」 「はい、はい、どうせ
無代価で頂戴いたしますものでございます。めのさんのお魚は、現金にも月末にも、つい....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ぺちゃんこになっていた。 「君もよかったら一つ喰べないか。温くして貰ったお礼に、
無代提供するよ。……どうです皆さんも。よかったら、やって下さい」 じゃ御馳走に....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
うしろには葡萄園があるそうですが、表構えは茶店のような作り方で、ここでは登山者に
無代で梅酒というのを飲ませます。喉が渇いているので、わたしは舌鼓を打って遠慮なし....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ませんが」 と差出すを見て、 秋「斯ういう形じゃア不都合じゃが」 婆「其の代り
無代で宜うがんす、口を打欠えて種子え投込んで、担へ釣下げて置きましたから、銭も何....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
う」 山「じゃア一寸知らせて下さい、別にお礼の致し方は無いが、あなたの非番の時に
無代療治をして、好い茶を煎れて菓子を上げる位の事は致しますから」 久「それははや....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ようにもじゃもじゃと聞えておかしい。茶も勿論、梨を十分に頂いた。お商売でのうても
無代価では心苦しい。ずばりと余計なら黙っても差置きますが、旅空なり、御覧の通りの....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
――遠くに居る家主が、かつて適切なる提案をした。曰く、これでは地味が荒れ果てる、
無代で広い背戸を皆借そうから、胡瓜なり、茄子なり、そのかわり、実のない南瓜を刈取....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いますから、今後一年間はその人がすべての税金さえ納めてくれればいいという約束で、
無代で誰にでも貸そうと考えているのです」 「いったい、いつごろからそんな評判が立....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
半双を送付する。よって、その実費として、二百円送金すべし。その代り、百円分の薬を
無代進呈する。 ……いきなり二百円を請求された支店長たちは、まるで水を浴びた想....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
夢物語」 団十郎の知盛――渡辺崋山と高野長英――多摩川大洪水――狼と鵜飼――初日
無代価 演劇改良と改作 演劇天覧――「勧進帳」の訂正――狂言作者志願――浄瑠璃本....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
によいのがあるからこちらからじきにネパール国王にお上げ申すからというような訳で、
無代価でもってわざわざネパール国王に献上したです。其書が今国王の図書館に納まって....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
居て呆れたよ。こちらの御商売は全くお大名だよ。来る客も、来る客も、まるで乞食さ。
無代ででも貰って行くような調子で、若旦那済まねえがこれを少し分けておくんなさいと....
「ある日の午後」より 著者:小川未明
かなかったので、私はきっと配達人が此家が分らない為であろうと思った。しかし私には
無代価で送ってもらっているということが、わざ/\ハガキを本社に出して転居を報ずる....