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「無位〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無位の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
てしまうのでございます。 その代りまた、詩歌管絃の道に長じてさえ居りますれば、無位無官の侍でも、身に余るような御褒美《ごほうび》を受けた事がございます。たとえ....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
むところを、心のうちで難有《ありがた》いと恩に着るのは銭金で買える返礼じゃない。無位無冠でも一人前の独立した人間だ。独立した人間が頭を下げるのは百万両より尊《た....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
手を出して世高に取りついて泣いた。世高も決して離れまいとした。 「俺の家は、代々無位無官の者を婿にしたためしがない、女がほしいなら、読書して、高科にのぼるがいい....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
女は米国に死んだ。米国の灰になり米国の土になった彼女は、真に日本が米国に遣わした無位無官の本当の平和の使者の一人であったと。蓋「宝の在る所心もまた在る」道理で、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いえども、徳川の流れ未《いま》だ尽きず、六十二万石の威勢、れっきとしている際に、無位無官の一平民――その一平民の中でも極めて値段の安い十八文の、わが道庵先生の意....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
家にあるという『唐獅子《からじし》』を見る機会を得ないのが残念です。われわれが、無位無官の田舎絵師としての伝手《つて》で、見られるだけは見たが、どこから見ても永....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
桃吉が資産家になり、権力が加《くわわ》ってゆくと共に、今は爵位を子息にゆずって、無位無官の身となった具張氏は居愁《いづら》い身となってしまった。やがて二人の間に....
源氏物語」より 著者:紫式部
り、三位中将も来邸した。面会をするために源氏は着がえをするのであったが、 「私は無位の人間だから」 と言って、無地の直衣《のうし》にした。それでかえって艶《え....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
徳望とを基にして、老中筆頭という高官にあって、田沼の横暴を抑えたのを、私は年若と無位無官と、過激と権謀術数と、ある意味における暴力とを基とし、表面には立たず裏面....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
吉にも認められ、殿上人にも親しまれて、のびやかに風雅にくらしていた。しかし身分は無位無官で、地下侍には相違なかった。 「人間の栄華というようなものは、そうそう長....
志士と経済」より 著者:服部之総
」と呼んだ。もとよりさまざまな出身で、一概にいえぬが、大量的支配的な現象として、無位無官「草莽《そうもう》」志士の地盤には、全国諸地方の新興産業商業の勢力が、脈....
三国志」より 著者:吉川英治
ぞ」 呂布は、真剣になった。もとより張飛も必死である。 貧しい郷軍を興して、無位無官をさげすまれながら、流戦幾年、そのあげくはまた僻地に埋もれて、髀肉を嘆じ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
として、六波羅衆も、お立ち迎えいたすことでございましょうず。又太郎とて治部大輔、無位の布衣でもございませぬ。立武者のうちに加えて、よそながらでも、御盛儀を拝する....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ら、家人・奴婢のままでいて、位階を授かっていたものも随分あります。位階あるものは無位のものの上席にいるのでありますから、奴婢でいて良民よりも地位の高いものがあり....