無名指[語句情報] » 無名指

「無名指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無名指の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
上に置いた彼女の両手の爪は、天狗のように長く伸びていた。取り分けて人差指と中指と無名指の爪が一寸以上も長く鋭く伸びているのを見ると、おころの死因も容易に想像され....
河明り」より 著者:岡本かの子
のは、まったく惜しい気が致します」といった。 娘は俯向いて、型のようにちょっと無名指の背の節で眼を押えた。その仕草が、日本女性のこういう場合にとる普通の型のよ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う印呪の浄三葉印ほどでなくとも、少なくもロダンの寺院には近いのだ。ことに、右掌の無名指を折り曲げていた、非常に不安定な形だったので、絶えずクリヴォフ夫人の心理か....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
にはあったが、何うも許し難いから私は中指を切ろうと思ったが、それも不憫だから皆な無名指を切った」 千「怖い事でございます、私は此のお道具を扱いますとはら/\致し....
破片」より 著者:寺田寅彦
ある。 いつか自分の手指の爪の発育が目立って悪くなり不整になって、たとえば左の無名指の爪が矢筈形に延びたりするので、どうもおかしいと思っていたら、そのころから....
黒百合」より 著者:泉鏡花
見え隠れにあとを跟けて、その夜金竜山の奥山で、滝さん餞別をしようと言って、お兼が無名指からすっと抜いて、滝太郎に与えたのが今も身を離さず、勇美子が顔を赤らめてま....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
古河君に会釈して隣りの椅子に腰をかけた。そうして、瀬戸の火鉢に手をかざすと、右の無名指には青い玉が光っていた。左の指にも白い玉がきらめいていた。 「さっきはどう....
貞操問答」より 著者:菊池寛
美和子は、相手が何人か分らないので、ただニコニコ笑っていたが、その婦人の右の手の無名指に輝いている五キャラットはありそうな燦爛たるダイヤに驚いて目を刮っていると....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
残されてしまった。しかも、それには一つの特徴があって、右手であるばかりか、食指と無名指とがほとんど同じ高さであり、拇指はやや横向いていて、それと、小指との識別は....
弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
の頭目らしい――すなわち恩地雉四郎の、その冑の前立であった。弦ヲ控クニ二法アリ、無名指ト中指ニテ大指ヲ圧シ、指頭ヲ弦ノ直堅に当ツ! 之ヲ中国ノ射法ト謂フ! 正次....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
皮膚は波打って、それが薄気味悪く、燐光色に透き通って見えるのだった。左は中指右は無名指が第二関節からない両手の甲は、骨の間がすっかり陥没して居て、指頭が細く尖っ....
稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
たところのものであります。それは時価少くとも二十万円の宝石でありまして、大きさは無名指の頭ぐらいですけれど、その色が南国の海の様に青く、たまらなく美しいのであり....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
う洋袴のポケットへ入れていましたが、胸のハンカチを取出すとき、案外白い大きい手の無名指にエンゲージリングの黄ろい細金がきらりと光ったのを覚えています。 その人....