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「無味乾燥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無味乾燥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青木の出京」より 著者:菊池寛
青木が、同窓の人たちが大学を出て、銘々に世の中に受け入れられていくのを見ながら、無味乾燥な田舎に、その青春時代を腐らせていったもどかしさや、苦しさや、残念さを考....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
は、中学校の教育が悪いからだ) 紀代子がもし聴いたらうんざりするような、そんな無味乾燥なことを考えながら、豹一は退屈をこらえていた。 紀代子の「気の利いた」....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
うであるが、あまりはつきりした二重まぶたは精神的な陰翳が感じられなく甘いばかりで無味乾燥なものである。東洋的な深みや味は一重まぶたもしくははつきりしない二重まぶ....
前哨」より 著者:黒島伝治
明なローソクは、棚の端に、二三滴のローを垂らして、その上に立てゝあった。殺伐な、無味乾燥な男ばかりの生活と、戦線の不安な空気は、壁に立てかけた銃の銃口から臭う、....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
ながら、工場のことを話した。……顔が変なために誰にも相手にされず、それに長い間の無味乾燥な仕事のために、中性のようになった年増の女工は小金をためているとか、決し....
正義と微笑」より 著者:太宰治
こんな、たまらなく、いらいらしている時には、聖書に限るようである。他の本が、みな無味乾燥でひとつも頭にはいって来ない時でも、聖書の言葉だけは、胸にひびく。本当に....
案内者」より 著者:寺田寅彦
いう事とは全然別な事で、むしろ往々|相容れないような傾向がある。いわゆる案内記の無味乾燥なのに反してすぐれた文学者の自由な紀行文やあるいは鋭い科学者のまとまらな....
教育映画について」より 著者:寺田寅彦
て行ってその器械がもう少し安くなって一般の使用に便利なようになれば、多くの学校の無味乾燥な教授の大部分は映画で置換えられるであろう。全級一度に教授することによっ....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
活、威海衛の大攻撃等を見、聞き、感じて、それを報告している。しかも、一新聞記者の無味乾燥な報告ではない。作家としての独歩の面目は、到るところに発揮されて、当時の....
中毒」より 著者:織田作之助
、寝床を這い出して行く代りに、寝床の中で煙草をくゆらしながら、不景気な顔をして、無味乾燥な、発展性のない自分の人生について、とりとめのない考えに耽っているのであ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、いかに実験して、それでは結果が出なくてもなる。 またファラデーの伝記は決して無味乾燥ではない。電磁気廻転を発見して、踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に行き、入....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
ほど彼女にとっては肉体的に既に東京が不適当の地であった。東京の空気は彼女には常に無味乾燥でざらざらしていた。女子大で成瀬校長に奨励され、自転車に乗ったり、テニス....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
開設されるとしたら、芝公園が最適の敷地と思う。由来博覧会の出品物は、潤いに乏しい無味乾燥な科学品の多いのを例とする。ところが、芝公園の杜の中に蒼然と古典を語る霊....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
て生まれた運命なのさ!……」 「くそ虫さん、あんたみたいに人生をみちゃ、あんまり無味乾燥というものですよ。だが蟻さんも、人生をあまり暗く考え過ぎますねえ」と、こ....
はつ恋」より 著者:神西清
…が、困りましたな。話すのはやめにしましょう。わたしは話が不得手なほうですから、無味乾燥なあっけない話になるか、それともだらしない調子はずれな話になるか、そのど....