無垢[語句情報] » 無垢

「無垢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無垢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
って行った。当時有名な煙管商、住吉屋七兵衛《すみよしやしちべえ》の手に成った、金無垢地《きんむくじ》に、剣梅鉢《けんうめばち》の紋《もん》ぢらしと云う、数寄《す....
少年」より 著者:芥川竜之介
女は二千年|前《ぜん》の今月今日、ベツレヘムに生まれた赤児《あかご》のように清浄無垢《しょうじょうむく》のものと信じられている。しかし彼の経験によれば、子供でも....
或る女」より 著者:有島武郎
ち上がって部屋《へや》を出て行った。 葉子はそのすきに岡の顔を見た。それはまた無垢《むく》童貞の青年が不思議な戦慄《せんりつ》を胸の中に感じて、反感を催すか、....
星座」より 著者:有島武郎
き機会を……今までの無興味な学校の課業と、暗い淋しい心の苦悶の中に、ただ一つ清浄無垢《せいじょうむく》な光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるということは....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ごかしに理窟を言って、動きの取れないように説得すりゃ、十六や七の何にも知らない、無垢な女が、頭一ツ掉り得るものか。羞含んで、ぼうとなって、俯向くので話が極って、....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
強く深く、何者をも失わないで、凡てを味い尽して墓場に行こうとする。縦令私が純一|無垢の生活を成就しようとも、この存在に属するものの中から何かを捨ててしまわねばな....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
をもって清六の家を去ればよかった。そうすれば省作も人の養子などにいく必要もなく、無垢な少女おつねを泣かせずにも済んだのだ。この解り切った事を、そうさせないのが今....
去年」より 著者:伊藤左千夫
僕の両親も健康で長命だった。夫婦ともに不潔病などは親の代からおぼえがない。健全|無垢な社会の後継者を八人も育てつつある僕らに対して、社会が何らの敬意も払わぬとは....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、江戸がるのを毛嫌いして「そうです。」「のむです。」を行る名士が少くない。純情|無垢な素質であるほど、ついその訛がお誓にうつる。 浅草寺の天井の絵の天人が、蓮....
星女郎」より 著者:泉鏡花
を買ったとある、と雪の炉端で話が積る。 トそこら白いものばっかりで、雪上※は白無垢じゃ……なんぞと言う処から、袖裾が出来たものと見えまして、近頃峠の古屋には、....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
一たん肉感肉慾の誘惑にかかった魂は、終にその奴隷とならずんば止まぬ。彼は到底清純無垢の境地に安住し得ない。彼の望むところは、お馴染の魔窟であり、悪習慣である。友....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かにはいっていきました。しかし、これは大きな神神しいお寺のようにおもわれました。無垢の白はとが、高い聖壇の上をとんでいました。よっぽどひざをついて拝みたいとおも....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ったのは七十に近い祖母と、十ウばかりの弟ばかり。 父は塗師職であった。 黄金無垢の金具、高蒔絵の、貴重な仏壇の修復をするのに、家に預ってあったのが火になった....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
小さなのは蚕豆なるまで、品には、床の置もの、香炉、香合、釣香炉、手奩の類。黄金の無垢で、簪の玉を彫んだのもある。地金は多くは銀だが、青銅も、朧銀も、烏金も……真....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
の波の中に、うつくしい竜宮を色で象嵌に透かして、片面へ、兎を走らす。……蓋は黄金無垢の雲の高彫に、千羽鶴を透彫にして、一方の波へ、毛彫の冴で、月の影を颯と映そう....