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「無報酬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無報酬の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女生徒」より 著者:太宰治
けるだけの叡智《えいち》もあったし、純粋の自己犠牲の美しさも知っていたし、完全に無報酬の、奉仕のよろこびもわきまえていたのだ。 「ああ、いいアンマさんだ。天才で....
駈込み訴え」より 著者:太宰治
の喜びだけを信じる。次の世の審判など、私は少しも怖れていない。あの人は、私の此の無報酬の、純粋の愛情を、どうして受け取って下さらぬのか。ああ、あの人を殺して下さ....
花燭」より 著者:太宰治
ら。たいへん素朴な疑念であった。求めて職が得られないならば、そのときには、純粋に無報酬の行為でもよい。拙《つた》なくても、努力するのが、正しいのではないのか。世....
苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
戦争は継続している。 × 私は、純粋というものにあこがれた。無報酬の行為。まったく利己の心の無い生活。けれども、それは、至難の業であった。私....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
テ貴方は――」権田「イヤ何も「ダッテ」などと仰有ることは有りません、今まで一切、無報酬で助けて上げたのですから最う報酬を請求しても好い頃です」秀子「報酬は差し上....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
て法典立案の委嘱を需《もと》めた。一八一四年、書をペンシルバニヤ州の知事に送り、無報酬にて法典立案の業に従事したいということを請うたが容れられなかった。しかるに....
トカトントン」より 著者:太宰治
、やってみたいのです。誰にほめられなくてもいいんです。ただ、走ってみたいのです。無報酬の行為です。幼児の危い木登りには、まだ柿の実を取って食おうという慾がありま....
女給」より 著者:細井和喜蔵
給仲居に一円の給料も支払わないのが普通で、此の種職業婦人の八割までは全然主人から無報酬で働いている。それだのに女達は「傭人」という名目で其筋へ届け出られる。凡そ....
人の言葉――自分の言葉」より 著者:寺田寅彦
仕事をせよと奨励されずに、会合に出て宴会に出席して、雑誌を発刊して、演説をして、無報酬の講義をして、原稿を訂正して、仕事を妨げることに想像される有りとあらゆるこ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。村長がいっさいの事をするのです。村長は税を割り当て、各人に正当な負担を負わせ、無報酬で争いを裁《さば》き、無料で遺産を分配し、無費用で判決を下しています。人々....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
て神様に特別に祈っております。一燈園は喜捨で生活して行くので、他家ではたらくのは無報酬なのです。二十九人おりますが、みなそれぞれ不幸な運命のもとに生まれた人ばか....
食道楽」より 著者:村井弦斎
の原料と炭代に仕向ける。料理人の方はこれも腕を磨くために自ら奮って当日の料理方を無報酬で引受けようという者もあるし、会場その他の諸雑費は子爵が持出すし、中庭へ七....
」より 著者:吉川英治
した。 人税というのは、一戸当り幾人という労力を、月割に徴発することで、勿論、無報酬の労働なのである。 「飛んでもねえ事になって来たぞい」 「何じゃああの棟方....