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「無始〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無始の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大川の水」より 著者:芥川竜之介
ていない。どことなく、生きて動いているという気がする。しかもその動いてゆく先は、無始無終にわたる「永遠」の不可思議だという気がする。吾妻橋、厩橋《うまやばし》、....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
この小著そのものが私の「後世への最大遺物」の一つとなったことを感謝します。「天地無始終《てんちしじゅうなく》、人生有生死《じんせいせいしあり》」であります。しか....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
くの如くいうならば、何故に更に一歩を進んで神の原因を尋ぬることはできないか。神は無始無終であって原因なくして存在するというならば、この世界も何故にそのように存在....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
静観してこそ、東西相会して互いに慰めることができるであろう。 道教徒はいう、「無始」の始めにおいて「心」と「物」が決死の争闘をした。ついに大日輪|黄帝は闇と地....
十二支考」より 著者:南方熊楠
遁仙人離欲の輩も、これを見ればたちまち雲を踏み外す事受け合いなり、いかにいわんや無始時来|煩悩《ぼんのう》を貯え来った年少丈夫、一瞥《いちべつ》してすなわち迷惑....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
み着いた民族の遠い祖先からの数限りもない海の幸いと海の禍いとの記憶でいろどられた無始無終の絵巻物である。そうしてこの荒海は一面においてはわれわれの眼前に展開する....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
。之を神と云えば神なり。政治学的に人類学的に宇内の最も貴重すべき一大古物なり。上無始に溯りて其以前に物あることなく、此宇内の最も貴重すべき古物をして常に鮮美清麗....
産屋物語」より 著者:与謝野晶子
の味方になれる人は一人もない。命掛の場合にどうしても真の味方になれぬという男は、無始の世から定った女の仇ではないか。日頃の恋も情愛も一切女を裏切るための覆面であ....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
ざいません。地を這う蟻の喜悦から、星の壊《ついえ》る悲哀まで、無涯の我に反映して無始無終の彼方に還るのではございますまいか。 同じ、「我」と云う一音を持ちなが....
俊寛」より 著者:倉田百三
。わしは勢いに巻き込まれたのだという気がする。他人の欲望――というよりも、むしろ無始以来結ぼれて解けない人間の怨讐の大|渦のなかに巻き込まれたのだという気がする....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に、天地万物の起源を証明するに両説あり。一つはその体をもって有始有終とし、一つは無始無終とす。有始有終とするときは、別に造物主を想立せざるべからずといえども、無....
法然行伝」より 著者:中里介山
立てて、十劫正覚《じゅうこうしょうがく》というのは迹門の弥陀のこと、本門の弥陀は無始本覚《むしほんがく》の如来であるが故に、われ等が備うるところの仏性と全く違っ....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
がっている。年に何度という程しか屋敷へは戻って来なかった。 我昔所造諸悪業 皆由無始|貪瞋癡 従身語意|之所生 一切我今皆懺悔 ――右門は今、無縁の石に向って....
こども風土記」より 著者:柳田国男
、時の古今に亙った国語の統一ということが、もう考えられてもよかったのではないか。無始の昔から無限の末の世まで、続いて絶えない母と子との問題であるが故に、ことにそ....