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「無官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
まうのでございます。 その代りまた、詩歌管絃の道に長じてさえ居りますれば、無位無官の侍でも、身に余るような御褒美《ごほうび》を受けた事がございます。たとえば、....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
」 文「いや/\名なんどを名告《なの》るような者ではありません、無禄《むろく》無官の浪人で業平橋に居《お》る波島文治郎と申すものでございます」 商「明日《み....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
者は軽侮《けいぶ》の色をも露《あら》わさず、 「はあ、太夫! なんの太夫?」 「無官の太夫じゃない、水芸の太夫さ。あんまり聞いておくれでないよ、面目《きまり》が....
運命」より 著者:幸田露伴
く考うべきこと多けれ。山戦野戦又は水戦、幾度と無く畏るべき危険の境を冒して、無産無官又|無家、何等の恃むべきをも有たぬ孤独の身を振い、終に天下を一統し、四海に君....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
出して世高に取りついて泣いた。世高も決して離れまいとした。 「俺の家は、代々無位無官の者を婿にしたためしがない、女がほしいなら、読書して、高科にのぼるがいい」 ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
米国に死んだ。米国の灰になり米国の土になった彼女は、真に日本が米国に遣わした無位無官の本当の平和の使者の一人であったと。蓋「宝の在る所心もまた在る」道理で、お馨....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ござりまする。わたくしなんぞは、ごらんの通りさすらいの小坊主でございまして、無衣無官は申すまでもございません、その上に、お心づきでもありましょうが、この通り目が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ども、徳川の流れ未《いま》だ尽きず、六十二万石の威勢、れっきとしている際に、無位無官の一平民――その一平民の中でも極めて値段の安い十八文の、わが道庵先生の意気揚....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あるという『唐獅子《からじし》』を見る機会を得ないのが残念です。われわれが、無位無官の田舎絵師としての伝手《つて》で、見られるだけは見たが、どこから見ても永徳に....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
が資産家になり、権力が加《くわわ》ってゆくと共に、今は爵位を子息にゆずって、無位無官の身となった具張氏は居愁《いづら》い身となってしまった。やがて二人の間に破滅....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
》を右近太夫、公卿の子でまだ官位のないのを、いずれ五位に叙せられるからというので無官の太夫という。 ここまでくるとやっと馴染《なじみ》がある。無官の太夫なら敦....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
とを基にして、老中筆頭という高官にあって、田沼の横暴を抑えたのを、私は年若と無位無官と、過激と権謀術数と、ある意味における暴力とを基とし、表面には立たず裏面にい....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
も認められ、殿上人にも親しまれて、のびやかに風雅にくらしていた。しかし身分は無位無官で、地下侍には相違なかった。 「人間の栄華というようなものは、そうそう長くつ....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
て行政官直轄の諸学校を私立の体《てい》に改革せられたらば、その教員の輩はもとより無官の人民なれども、いずれも皆少小の時より学に志して、自身を研《みが》き他を教育....
志士と経済」より 著者:服部之総
呼んだ。もとよりさまざまな出身で、一概にいえぬが、大量的支配的な現象として、無位無官「草莽《そうもう》」志士の地盤には、全国諸地方の新興産業商業の勢力が、脈々と....