無害[語句情報] »
無害
「無害〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無害の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
るということは、園には自分の性癖から堪《た》えがたいことだったろう。彼はどんなに
無害なことでも心にもない口をきくことができなかったから。また処女に特有な嬌羞《は....
「乞食学生」より 著者:太宰治
先生の曰《いわ》く、諸君は教養ある学生であるから、酒を飲んでも乱に陥らない。故に
無害である。否、時には健康上有益である。しかし、諸君を真似て飲む中学生、又は労働....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
電界中和装置は、怪人集団の城塞から発射した嵐のような原子弾をよく捕捉し、中和して
無害とならしめた。 「目標までの距離、五千八百……」 航海士がレーダーにあらわ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
尺|乃至二丈ぐらいのうわばみが悠々とのたくっていたということである。 その有害
無害は別として、誰にでも嫌われるのは蛇である。ここらの人間は子供のときから見馴れ....
「火星探険」より 著者:海野十三
すね」 「地球の生物にとってはかなり有毒だ。しかし火星の生物にとっては、R瓦斯は
無害なんだ。いや彼等にとっては棲息するために必要な瓦斯なんだ、ちょうどわれわれが....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
はいっているのはまたとない尊いもので、この解毒剤を一滴でも飲めば、どんな劇薬でも
無害になるのだ。ラッパチーニの毒薬に対しても、十分の効力あることは疑いない。この....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
さえもかつて一度として聞えたことはなかった。ただみんなが平和な怠惰と不潔な食物と
無害な嘘言とに楽しく肩を叩きあっているばかりだ。それが私にはたまらなく不平だった....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ぎないという。それは或る程度当っていないでもない。何となれば霊媒の意見は、それが
無害である限り、大体元のままに保存され、ただ人目につかぬ程度に、幾分修正されてい....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
興味もない……依頼者でもあればともかくだが」 「しかし」とダンチョンは遮って、「
無害ということも云われないね。現にその獣に脅されて悲鳴をあげた者があるといって、....
「接吻」より 著者:神西清
さながらに、どうしたわけだか人間や馬にひしひしと取巻かれてしまっている小っちゃな
無害の動物といった恰好である。砲の両側には、風しもの方から、両手をやけに振りなが....
「決闘」より 著者:神西清
ずだ。彼に対して寛大ではおられぬはずだ。それどころか、彼のためにも、どうにかして
無害な人間にしてやりたいと考えるところだ。」 「というと?」 「
無害な人間にする....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
く、間食は絶対に禁じられたが、今ならカルケットやウェーファーに比すべき軽焼だけが
無害として許された。殊に軽焼という名が病を軽く済ますという縁喜から喜ばれて、何時....
「城」より 著者:カフカフランツ
証明してやることによって(そんな証明はきわめてやさしいものです)、それを明らかに
無害にしてやることができます。――そう思ってよいはずです――ともかく、そんなこと....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
、またわれわれのすべてにとっても――どうかこんないいかたをお許し下さい――いわば
無害な立場におられます。それで、私のいうことを信じていただきたいのですが、あなた....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
にいった「場違いの議論であり、また問題にするにもたりません」いわゆる代作の手紙は
無害なものである。「かつ」と彼はつけ加える「私は何事にも増して、いかにして伯爵を....