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「無宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ってせば、この人まさに金屋に入り、瑶輿《たまのこし》に乗るべきなり。しかるを渠は無宿《やどなし》と言う。その行ないすでに奇にして、その心また奇なりといえども、い....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
の寸法を測るべき物指しを彼はもっていなかった。自分が故郷を立ち退いて、今は一種の無宿者同様になっていることを知ったあかつきに、八橋はどんな態度を取るか。それは彼....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、江戸の御金蔵破り……。あの一件は安政二年三月六日の夜のことで、藤岡藤十郎と野州無宿の富蔵が共謀して、江戸城内へ忍び込み、御金蔵を破って小判四千両をぬすみ出した....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の探偵物語をはじめた。 「御承知の通り、安政二年二月六日の晩に、藤岡藤十郎、野州無宿の富蔵、この二人が共謀して、江戸城本丸の御金蔵を破って、小判四千両をぬすみ出....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を狙ってやった仕事ですから、おあつらえ向きに行ったわけです。 逃げた奴はみんな無宿者《むしゅくもの》で、京都無宿の藤吉、二本松無宿の惣吉、丹後村無宿の兼吉、川....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の親戚で、下谷に店を持っている池田屋十右衛門、浅草に店を持っている大桝屋弥平次、無宿のならず者熊吉と源助、矢場女お兼、以上の五人は神田の半七と桐畑の常吉の手であ....
乱世」より 著者:菊池寛
伸べる覚悟はいたしてござる。それをあの指図は何事じゃ。貴殿こそ、われわれを盗人か無宿者同様に心得てござる。あれが、武士を遇する道か。あれが、武士に対する寛大の取....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
七老人は云った。 「わかりませんね」と、わたしは首をかしげた。 「それはね。上総無宿の海坊主万吉という奴でした」 「へえ、その生魚を食う奴が……」 「そうですよ....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
歩いちゃいませんぜ」と私はちょっと嘘をついた。 「ふざけるな。じゃあ訊くが、銀座無宿の坊ちゃんが河岸をかえて、なぜ横浜くんだりまで来ているのだ……」 坊ちゃん....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、目付け次第|搦め捕り、手に余らば、斬り捨て候うも苦しからず、差し押さえの上は、無宿、有宿にかかわらず、死罪その外重科に処すべく候云々』……勘兵衛とも又兵衛とも....
役者の一生」より 著者:折口信夫
源之助自身の柄を考えないところの役もずいぶんある。例えば「四千両小判梅葉」の野州無宿の富蔵・「牡丹灯籠」の伴蔵・宇都谷峠の文弥殺しの十兵衛などがそれで、唯菊五郎....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
有る星ならば、天文学者の計算違いと云う事もあろうが、既に軌道を踏み外した狼藉者、無宿者で、盲滅法に天界から落ちて来るのだから、太陽へ落ち込むに決まっている。 ....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
天保五、午年の四月十二日に播州無宿の吉五郎が江戸の町方の手に捕われて、伝馬町の牢屋へ送られた。かれは通称を定蔵....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ている間でも、 あいつの苦労を察して遣らずにはいられぬ。 己は亡命者ではないか。無宿ものでは。 己は当もなく休まずに生きている人非人だ。 譬えば好き好んで烈しく....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
もありましょうし、初めからの浮浪人もありましょう。徳川時代の法令などに、野非人・無宿などというのは、やはりこの徒の堕落したもので、平安朝頃の書物には野宿などとも....