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無常迅速
「無常迅速〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無常迅速の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
な音のするのは、竹の葉をすべる露であろう。
「生死事大《しょうじじだい》。」
「
無常迅速。」
「生き顔より、死に顔のほうがよいようじゃな。」
「どうやら、前より....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
》い出《だ》す。古びた張交《はりまぜ》の中《うち》に、生死事大《しょうじじだい》
無常迅速《むじょうじんそく》云々と書いた石摺《いしずり》なども鮮《あざ》やかに眼....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ューと鳴って土手下を通り過ぎる。大変|淋《さみ》しい感じがする。暮、戦死、老衰、
無常迅速などと云う奴が頭の中をぐるぐる馳《か》け廻《めぐ》る。よく人が首を縊《く....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
季のうつりかわりの速いこと。年をとるとそれがことに早く感じられるものだ。この世は
無常迅速というてある。その無常の感じは若くてもわかるが、迅速の感じは老年にならぬ....
「死生」より 著者:幸徳秋水
に死刑を重大視して居ない、病死其他の不自然なる死の来たのと、甚だ異なる所はない。
無常迅速生死事大と仏家は頻りに嚇して居る、生は時としては大なる幸福ともなり、又た....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
天子を諫めるだけの目的は充分に達し得るのだ。女の肉体美が如何に果敢ないものか……
無常迅速なものかという事を悟らせるにはこの六個の腐敗美人像だけで沢山なのだ。……....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
中に夏と冬とがひっくり返るようなことさえある。その上に大地震があり大火事がある。
無常迅速は実にわが国の風土の特徴であるように私には思われる。 日本人の宗教や哲....
「「女らしさ」とは何か」より 著者:与謝野晶子
日本人は早く仏教に由って「
無常迅速の世の中」と教えられ、儒教に由って「日に新たにしてまた日に新たなり」とい....
「夜の靴」より 著者:横光利一
と思ったが、長男の月給はなおさらだ。 「一回月給を貰って、忽ち馘とは、これはまた
無常迅速なものだね。しかし、おれのときよりお前の方が多いから、豪いもんだ。」 ....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
大視してはいない。病死その他の不自然な死が来たのと、はなはだ異なるところはない。
無常迅速・生死事大、と仏家はしきりにおどしている。生は、ときとしては大いなる幸福....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
大したことになったとおどろきました。 来週は月水金とあがります。今年の迅さは、
無常迅速的でした。ほんのいくらか丈夫になりほんのいくらかものを学び、しかもその間....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
に安心した。そのはずみにまた夢がさまされた。 夢から醒めた鶴見には、生死事大、
無常迅速という言葉のみが、夢のあとに残されている。まだどこやら醒めきらぬ心のなか....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
噴火山上の享楽を世上に流通せしめた。この前後の芸術一般が持つ美には、それゆえ毎に
無常迅速の哀感を内に孕み、外はむしろ威儀の卓然たるものがあった。猿楽は寺坊の間か....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
角度に革命の達成を告げ、平家都落ちの悲劇を、平家の地上に現出して来る。昔も今も、
無常迅速の感は深い。 敦賀、倶利伽羅、安宅ノ関あたり、それらの北陸平家史蹟は、....