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「無意識〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無意識の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
か、悪事を働くのが、人間の自然かもしれないと思いだした。……) 太郎は、半ば無意識に辻《つじ》をまがった。辻には、石でまわりを積んだ一囲いの土饅頭《どまんじ....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
ると、突然次の間との境の襖が無気味なほど静に明いた。その明いたのに気がついた時、無意識にあの別荘番を予期していた私は、折よく先刻書いて置いた端書の投函《とうかん....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
っと思った拍子《ひょうし》に脳貧血か何か起したのであろう。いつかまた妙に息苦しい無意識の中に沈んでしまった。 × × ....
河童」より 著者:芥川竜之介
れたり、令嬢が運転手に惚れたりするのはなんのためだと思っているのです? あれは皆無意識的に悪遺伝を撲滅しているのですよ。第一この間あなたの話したあなたがた人間の....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
された。それが、今まで自分の注意に上らなかったのは、恐らく周囲の給仕にまぎれて、無意識にカッフェの厨丁《コック》か何かと思いこんでいたからであろう。が、その時、....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
何も云わなかった。が、その母譲りの眼の中には、洋一が予期していなかった、とは云え無意識に求めていたある表情が閃《ひらめ》いていた。洋一は兄の表情に愉快な当惑を感....
仙人」より 著者:芥川竜之介
いる。そうして、その苦しみを与えるものを――それが何だか、李にはわからないが――無意識ながら憎んでいる。事によると、李が何にでも持っている、漠然とした反抗的な心....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
魂はおのずから作品に露《あらわ》るることを免れない。一刀一拝した古人の用意はこの無意識の境に対する畏怖《いふ》を語ってはいないであろうか? 創作は常に冒険であ....
忠義」より 著者:芥川竜之介
その修理を憎むのに、何の憚《はばか》る所があろう。――彼の心の明るくなったのは、無意識ながら、全く彼がこう云う論理を、刹那《せつな》の間に認めたからである。 ....
或る女」より 著者:有島武郎
人にでも見付けられまいとする心が先に立って、葉子は前後のわきまえもなく、ほとんど無意識に部屋《へや》にはいると、同時にぱたんと音をさせて戸をしめてしまった。 ....
或る女」より 著者:有島武郎
心した。読むでもなく読まぬでもなく手に持ってながめていた手紙の最後の一枚を葉子は無意識のようにぽたりと膝《ひざ》の上に落とした。そしてそのままじっと鉄びんから立....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
らせた。そしてその夜は、君のいかにも自然な大きな生長と、その生長に対して君が持つ無意識な謙譲と執着とが私の心に強い感激を起こさせた。 次の日の朝、こうしてはい....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りかけますが、それとてホンの一|瞬の間で、やがて何も彼も少しも判らない、深い深い無意識の雲霧の中へとくぐり込んで了うのです。私の場合には、この無意識の期間が二三....
狂人日記」より 著者:秋田滋
殺すことは法則である。なぜなら、自然は永劫の若さを愛するがためである。自然はその無意識な、あらゆる行いによって「早く、早く、早く!」と叫んでいるようだ。自然は滅....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ている。けれども今は目のあたりに、――O君はにやにや笑いながら、恐らくは君自身は無意識に僕にこの矛盾を指し示した。 「カルシウム煎餅も売っていますね。」 「ああ....