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無愛
「無愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
いではいられなかった。
「何か御用ですか。」
私は読みかけた書物を閉じながら、
無愛想にこう問いかけた。云うまでもなく私には、彼の唐突な訪問が意外であると共に腹....
「冬」より 著者:芥川竜之介
くろちりめん》の羽織をひっかけ、何か雑誌を読んでいる三十四五の女だった。
妙に
無愛想《ぶあいそう》な一人の看守は時々こう云う控室へ来、少しも抑揚《よくよう》の....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
屈している際だから、話しかけたいのは山々だが、相手の男の人相が、甚《はなは》だ、
無愛想に見えたので、暫く躊躇《ちゅうちょ》していたのである。
すると、角顋《か....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
媚《こび》のある目礼をした。洋一はその看護婦にも、はっきり異性を感じながら、妙に
無愛想《ぶあいそう》な会釈《えしゃく》を返した。それから蒲団《ふとん》の裾《すそ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
何でもない。ただ、眠くなるまでの時間さえ、つぶす事が出来ればよいのである。だから
無愛想なウェエタアが琥珀《こはく》のような酒の杯《さかずき》を、彼の前へ置いて行....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
流な若者が、彼の崇拝する素戔嗚の敵の一人だと云う事を承知していた。そこでいかにも
無愛想《ぶあいそ》に、
「何か御用ですか。」と返事をした。
「ちょいとその勾玉を....
「或る女」より 著者:有島武郎
は渋い顔をした。そしてある日「お前の楽器は才で鳴るのだ。天才で鳴るのではない」と
無愛想《ぶあいそ》にいってのけた。それを聞くと「そうでございますか」と無造作《む....
「或る女」より 著者:有島武郎
んどん片づけながら、倉地のほうも見ずに、
「きのうの約束じゃありませんか」
と
無愛想《ぶあいそ》につぶやいた。倉地はその言葉で始めて何かいったのをかすかに思い....
「星座」より 著者:有島武郎
った。円山さんというのがいったい西洋窓のついた日本座敷みたいに、こちんこちんした
無愛想な男だ。『何しに来た』、『修業に来た』、『何んの修業に来た』、『社会問題の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
たまま絵をながめつづけていた。 「そいつはどこん所が悪いんです」 突然また君の
無愛想な声がした。私は今までの妙にちぐはぐになった気分から、ちょっと自分の意見を....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
く』………」 Y中尉は手紙を持ったまま、だんだん軽蔑の色を浮べ出した。それから
無愛想にA中尉の顔を見、冷かすように話しかけた。 「善根を積んだと云う気がするだ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
しまった。評価には一時四十分間かかったが、屠殺は一時二十分間で終わってしまった。
無愛想な屠手は手数料を受け取るや、話一つせずさっさと帰って行った。警官らはこれか....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
った日陰の、湿った処で見着けたのね?」 「そうだ、そうだ。」 滝太郎は邪慳に、
無愛想にいって目も放さず見ていたが、 「ヤ、半分ばかり食べやがった。ほら、こいつ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
った。自分の不思議が疑団氷解。さらりと胸がすくと、わざとではなかったが、何となく
無愛想にあしらったのが、ここで大いに気の毒になったので。 「まったくねえ、お前さ....
「西航日録」より 著者:井上円了
し。まず、アイルランド人の風俗、人情の異なる点を指摘すれば、英人は初面接の人には
無愛嬌にして、親しみ難き風あるも、アイルランド人は親しみやすき傾きあり。しかして....