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無感
「無感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
。惰力《だりょく》の法則はいつのまにか苦痛という意識さえ奪ってしまった。彼は毎日
無感激にこの退屈そのものに似た断崖の下を歩いている。地獄の業苦《ごうく》を受くる....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ながら、話題を今夜演奏される音楽の方面へ持って行った。が、大井はこの方面には全然
無感覚に出来上っていると見えて、鉢植《はちうえ》の護謨《ごむ》の葉を遠慮なく爪で....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
変わっていたりする以外に、どこかちがっているところがある。僕はその前で、ほとんど
無感動に礼をした。「これは先生じゃない」そんな気が、強くした。(これは始めから、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
関心を装《よそお》っているとは思われなかった。むしろ彼等は始めから、ある不思議な
無感受性を持っているような気がするのであった。
この彼等の
無感受性は、当座の間....
「或る女」より 著者:有島武郎
》をされるように自分の胸に感じて行くらしかった。やや程経《ほどた》ってから倉地は
無感情のような鈍い声でいい出した。
「全くはおれが悪かったのかもしれない。一時は....
「鮨」より 著者:岡本かの子
― 子供は、平気を装って家のものと同じ食事をした。すぐ吐いた。口中や咽喉を極力
無感覚に制御したつもりだが嚥み下した喰べものが、母親以外の女の手が触れたものと思....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
心をば宿命論の結果といってあざけられていた。はなはだしきは、われわれは神経組織が
無感覚なるため、傷や痛みに対して感じが薄いとまで言われていた。 西洋の諸君、わ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
と思うほど、復一の人生|一般に対する考えも絶望的なものになって来て、その青寒い虚
無感は彼の熱苦るしい青年の野心の性体を寂しく快く染めて行き、静かな吐息を肺量の底....
「地球要塞」より 著者:海野十三
いた。私の足の下に、踏んでいるはずの大地が感ぜられないのであった。 (足の裏が、
無感覚になったのであろう) そう思いながら跼《かが》んで、足の下をさぐった。こ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
のまゝでちらほら白髪が額にほつれて来た。此の報告が巴里の生活で情感を磨き減らして
無感覚のまゝ冴え返っている新吉の心に可なりのさびしみを呼び起した。おみちがたゞ年....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
知せる所であろう。要するにわれ等の求むる所は、受動的の敏感性であって、かの怠慢と
無感覚より来る所の、単なる受動的状態ではない。刺戟性の酒類を飲みながら、鈍重な食....
「人造物語」より 著者:海野十三
いロボットが、短い労働服で出てきて、点々として器械的に働いていた。その端麗にして
無感情な顔や、柔かそうな白い二の腕や、短いパンツの下から、ニュッと出ている恰好の....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
ち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、道徳的
無感覚である。ひいては国民大衆、すなわち被支配階級全体に対する不忠である。 我....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
する人々や民族は、悲しむべきものである。其等の人々や其等の民族には、其の晴朗は、
無感覚即ち死の前兆に過ぎない。生は不断の更新である。闘争である。有らゆる苦難のあ....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
ニルヴァーナというのはそういうことではないでしょうか。 私は生きながら無刺激、
無感覚の生活をしたいと、よりより探ってみました。そういうところは、もう、あまり世....