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「無抵抗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無抵抗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
うか」 「何という淋しいことでしょう」 水戸記者は大きく溜息をついた。 「絶対無抵抗の外《ほか》なしだ。絶対服従だ。わが地球全土は、われら地球人類もひっくるめ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ず善昌の死骸を丁寧にあらためた。死骸の手足はあら縄で厳重にくくられていたが、殆ど無抵抗で縄にかかったらしいことは、多年の経験ですぐに覚られた。そこらの畳には血の....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
まだ足りないのか。いまや、会社側は四社連盟によって堂々と団結し、このいくじのない無抵抗主義者たちに向かって華々しく挑戦してきたのである。 かくして日本映画界に....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
は来なかった。第一、証拠が全くのこされていない。短刀の柄にも指紋はない。被害者は無抵抗で即死したような訳だから、犯人の着衣の一部をもぎとってもいない。死体の右手....
自叙伝」より 著者:大杉栄
時にまたうっかりはいりかけた「右の頬を打たれたら左の頬を出せ」という宗教の本質の無抵抗主義にも疑いを持って、階級闘争の純然たる社会主義にはいることができた。 ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
及ぼした。日本の自衛術である柔術はその名を道徳経の中の一句に借りている。柔術では無抵抗すなわち虚によって敵の力を出し尽くそうと努め、一方おのれの力は最後の奮闘に....
食魔」より 著者:岡本かの子
娘のお千代を塾で引受けて仕込んだ関係から蛍雪とは昵懇の間柄であった。 何という無抵抗無性格な女であろうか。鼈四郎は伯母の末の娘で檜垣の主人の従姉妹に当るこの逸....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ことはどうでもいいんだ」熊城は吐きだすように、「腹ん這いで洋橙を嚥み込んで、瞬間無抵抗になる――たった、それだけの話なんだよ」 「ところがねえ熊城君、アドルフ・....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
ことが寧ろ此の日に添った伝統的な風流なのだ。 娘は白痴じゃないかと思われるほど無抵抗な美しさ、そして、どこか都慣れたところがあった。新吉はてっきりリサの送った....
獄中消息」より 著者:大杉栄
いう最初の晩の南京虫の手創を負うたまま、その上にもやって来る無数の敵を、こうして無抵抗主義的に心よく迎えているんだ。僕にはこうしたことのちょっとした興味がある。....
海亀」より 著者:岡本綺堂
必死に苦しみもがいているのを、黙って眺めているのは今夜の月と星ばかりだ。僕たちの無抵抗をあざけるように、敵はいよいよ乗込んで来る。舟は重くなる。舟舷から潮水がだ....
決闘場」より 著者:岡本かの子
に左右の男達の腕から身を抜いて、決闘場の芝生の上へ飛び込んだ。 二人の男達も、無抵抗に引きずられるようにするするついて走り込んだ。男達が其処に停ち止まったアイ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
進で熱をあげたため検束された。当時の私は二十四貫ぐらいで非常に元気であった。私は無抵抗ではあるが、倒れるクセがあるので、検束するのに警官五、六人がかからねば始末....
反キリスト教運動」より 著者:小川未明
他を虐げて怪しまない今日の社会制度に対して黙っていられるわけがない。彼等の称する無抵抗主義というものは、一体どれだけの真面目さがあるのか。どれだけの真剣さがある....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
のように熱愛する弟様の暴力に一種の魅力をさえ感じたと仰しゃいました。そしてまるで無抵抗で、あの方の思うままになっておしまいになりました。 しかしそれはほんの通....