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「無明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
かり》。どこかで今様《いまよう》を謡《うた》う声がする。 げに人間の心こそ、無明《むみょう》の闇も異《ことな》らね、 ただ煩悩《ぼんのう》の火と燃えて、....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
樹那(二四)のインド否定論に似ており、また他方においては商羯羅阿闍梨の組み立てた無明観(二六)に似たところがあるように思われる。今日われらの知っているとおりの禅....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の穹窿も、まるで嵐の森のように揺れはじめて、それ等がともども、彼の足元に開かれた無明の深淵の中へ墜ち込んでゆくのだった。実に、その消え行く瞬間の光は、斜めに傾い....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
く、深く、味わってゆきたいものです。 さてこれからお話ししようとする所は、 「無明もなく、また無明の尽くることもなく、乃至、老死もなく、また老死の尽くることも....
風流仏」より 著者:幸田露伴
め。あまりの御言葉、定めなきとはあなたの御心。あら不思議、慥に其声、是もまだ醒ぬ無明の夢かと眼を擦って見れば、しょんぼりとせし像、耳を澄せば予て知る樅の木の蔭あ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
め》いたって仕方がありませんね、前世の業《ごう》というのが、これなんです、つまり無明長夜《むみょうちょうや》の闇に迷う身なんでございますね。その罪ほろぼしのため....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
す。浜松へ来て、お絹に逢ってから尺八を捨てました。少しく光明を得ていた眼が、再び無明《むみょう》の闇路《やみじ》に帰ったのも、その時からでありました。 父から....
『尚書』の高等批評」より 著者:白鳥庫吉
を設けてその世界觀を説きたり。印度にては三才の思想は梨倶吠陀に存し、佛教の眞如と無明とは陰陽思想の變形なり。この思想はアリアン及びセミチック種に著きが如し。而し....
生前身後の事」より 著者:中里介山
その以前に余輩が書いた黒谷夜話の中味によく似たところがあるという谷崎潤一郎君の「無明と愛染」というような新作を並べたものであったが、昼の方が興行的に断然優勢を示....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
種とするといっているのを釈して、それを元初一念の人の心と断じ、忽然念起、名づけて無明と為すというのはこれだ。無明は煩悩だ。この元初の一念が一切万物の根元だといっ....
地上」より 著者:島田清次郎
いても、彼はいつまでもこうしておられないような、このままこの嵐に捲き込まれて遠い無明に押し流されては堪らないような感じを得ていた。いつまでこうして過ぎるのか、い....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
れる人は一人もおらぬと思っておった。なよたけの赫映姫はこのまま誰にも知られずに、無明の闇の中に消え失せて行くものと諦めておった。お若い方、それでは貴方はこの竹の....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
々立ち行くことを得。婦燭を執りて窟壁の其処此処を示し、これは蓮花の岩なり、これは無明の滝、乳房の岩なりなどと所以なき名を告ぐ。この窟上下四方すべて滑らかにして堅....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
くようなものであります。この様子を、般若心経は実に要領よく道破しております。 「無明もなく、また無明の尽ることもなく」、無明とは、人間の不明の心で、人世に誤解を....
仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
令入仏道也という文字が彫つけてあった。そういうところを通りぬけ、玉川に掛っている無明の橋を渡って、奥の院にまいり、先祖代々の霊のために、さかんに然える護摩の火に....