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無暗
「無暗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無暗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
何小二は自分にまるで意味を成さない事を、気違いのような大声で喚《わめ》きながら、
無暗に軍刀をふりまわしていた。一度その軍刀が赤くなった事もあるように思うがどうも....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を
無暗《むやみ》にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と、こう急に思い返して....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
空模様を眺めると、また忌わしい予感に襲われ出したので、自然相手との話もはずまず、
無暗《むやみ》に足ばかり早め出しました。ですから泰さんは遅れ勝ちで、始終小走りに....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
じゃからそこはよろしく。」
四
「私《わし》も腹立紛《はらたちまぎ》れじゃ、
無暗《むやみ》と急いで、それからどんどん山の裾《すそ》を田圃道《たんぼみち》へか....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
己及自己の生活(人間及人間の生活)を出来るだけ改善しようとしている者に取っては、
無暗《むやみ》に強烈な酒、路上ででも交接を遂げたそうな顔をしている女、などと共に....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
なんです。貴下がお話しの通りなの、……佐川さん。) 私は口が利けなかった。――
無暗とね、火入へ巻莨をこすり着けた。 お三輪の影が、火鉢を越して、震えながら、....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
心得ている。そのくせ十二時頃から騒ぎ出して人の眠りを妨げた上にトランプを強いた。
無暗と騒ぐので四方で迷惑したに違いない。その時は周囲に人がいるのは気がつかなかっ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
大事ないそうでございます。薬の草もあります上は、毒な草もないことはございません。
無暗な者が採りますと、どんな間違になろうも知れませんから、昔から禁札が打ってある....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
可笑いじゃないか。それに姉様のは口でいうと反対で、髯の前じゃおどおどして、何だか
無暗に小さくなって、一言ものをいわれても、はッと呼吸のつまるように、おびえ切って....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
はなぜ音楽師に絃の調子を上げさせたり、頬をはち切れそうにして笛を吹かせたりして、
無暗に賑やかな音楽を奏させなければならないのか、なぜそうさせたほうが好いのか、自....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、後生だから。」 魂の請状を取ろうとするのでありますから、その掛引は難かしい、
無暗と強いられて篠田は夢|現とも弁えず、それじゃそうよ、請取ったと、挨拶があるや....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
てるんですか。悪かった、悪かった。真を言えばお前さんに心配を懸けるのが気の毒で、
無暗と隠していたのを、つい見透かされたもんだから、罪なことをすると思って、一刻に....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
というのが又|素的だ。火星の人間は、一体僕等より足が小くて胸が高くて、そして頭が
無暗に大きいんだが、その中でも最も足が小くて最も胸が高くて、最も頭の大きい奴が第....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
を聴きつけなかった…… 造物が責任を持つからいいと言えば言うようなものの、彼が
無暗《むやみ》に生命を造り過ぎ、
無暗に生命を壊し過ぎるとわたしは思う。 ギャッ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
あるまい、」と金之助は独りで莞爾々々。 「話せらあ、話せらあ、こいつあ話せらあ。
無暗に飲めます。」と愛吉はがぶりがぶり、狼と熊とが親類になったような有様で。 「....