無条件降伏[語句情報] » 無条件降伏

「無条件降伏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無条件降伏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
ひそかにその天皇を、おうらみ申した事さえあった。 × 日本は無条件降伏をした。私はただ、恥ずかしかった。ものも言えないくらいに恥ずかしかった....
おさん」より 著者:太宰治
獄の夢を見ている思いでただまごついて、十日ほどやっかいになっているうちに、日本の無条件降伏という事になり、私は夫のいる東京が恋いしくて、二人の子供を連れ、ほとん....
斜陽」より 著者:太宰治
西片町のお家を捨て、伊豆のこの、ちょっと支那ふうの山荘に引越して来たのは、日本が無条件降伏をしたとしの、十二月のはじめであった。お父上がお亡くなりになってから、....
十五年間」より 著者:太宰治
、故郷で死ぬのだから仕合せなほうかも知れないと思っていた。そうしてまもなく日本の無条件降伏である。 それから、既に、五箇月ちかく経っている。私は新聞連載の長篇....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
に姿を現さなくなっていた。たまに出て来れば、新聞を読むためであった。ドイツは既に無条件降伏をしていたが、今この国では本土決戦が叫ばれ、築城などという言葉が見えは....
トカトントン」より 著者:太宰治
それから横浜の或る軍需工場の事務員になって、三年勤め、それから軍隊で四年間暮し、無条件降伏と同時に、生れた土地へ帰って来ましたが、既に家は焼かれ、父と兄と嫂と三....
現代の主題」より 著者:宮本百合子
々とした歓喜の表情は、おたがいの眼の裡にきらめいているだろうか。旧軍事支配権力の無条件降伏は、考える葦、働く蟻であったわたしたち日本人民すべてに、人間らしい歩み....
ケーテ・コルヴィッツの画業」より 著者:宮本百合子
。当時ケーテは六十八歳になっていた。彼女から制作と生活とを奪ったナチス・ドイツが無条件降伏したのは一九四五年五月であり、ケーテは、人類史が記念するこのナチス崩壊....
あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」より 著者:宮本百合子
まった第二回の執筆禁止は、一九四五年八月十五日、日本の侵略的な天皇制の軍事権力が無条件降伏をするまで、五年の間つづいた。 中断されたこの時期に、評論集としては....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のではなく、ただそのような偶像に教育されただけであった。 しかし、彼はともかく無条件降伏の断を下した。朕の身はどのようになろうとも、と彼は叫んでいるではないか....
火の扉」より 著者:岸田国士
トの上で聞いたのだが、あの時の興奮はいま思うとおかしいくらいである。完全な敗北、無条件降伏という事実の前で、それを信じまいとする自分が刻々に打ちのめされる姿は、....
光は影を」より 著者:岸田国士
。が、そうかと思うと、 「ところで、今、なにをしてるんだ?」 と訊ねると、 「無条件降伏と聞いて、おれは、すぐに考えた。もう祖国に未練はない。一刻も早く日本を....
だいこん」より 著者:久生十蘭
ていない。 七月二十一日の桑港《サンフランシスコ》放送が、〈条件《タームス》は無条件降伏でも、|取扱い《トリートメント》は日本の抵抗期間の長さによって決定され....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
がわかるものではない例といえよう。 東京のうなぎにかかっては、大阪の原始焼きは無条件降伏せねばなるまい。それにもかかわらず、直焼きを誇るがごとき、笑うに耐えた....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
口から出した情報こそは! 「戦争はすんだらしい!」 「……それで、条件は?」 「無条件降伏、ポツダム宣言全面受諾」 一同黙然。 「うそだろう」私がいった。 「....