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「無様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無様の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
素戔嗚だ。」 彼がこう名乗った時、大気都姫は驚いた眼を挙げて、今更のようにこの無様《ぶざま》な若者を眺めた。素戔嗚の名は彼女の耳にも、明かに熟しているようであ....
闇の書」より 著者:梶井基次郎
道のそこから溪《たに》の方へおりる電光形の路へ歩を移したのであったが、なんという無様な! さきの路へゆこうとする意志は、私にはもうなくなってしまっていた。....
空想日録」より 著者:寺田寅彦
さんある。陶工が凡庸であるためにせっかく優良な陶土を使いながらまるで役に立たない無様な廃物に等しい代物をこね上げることはかなりにしばしばある。これでは全く素材が....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
でいるのだった。ああ万事休す矣。また何という深刻な宿命なのだろう。お千と自分との無様な色模様を見せたのも宿命なら、いまさらこんなところでミチミに会ったのも宿命だ....
東京へ近づく一時間」より 著者:宮本百合子
、汽車は高みを走って、低いところに、混雑して黒っぽい町並が見下せた。コールターで無様に塗ったトタン屋根の工場、工場、工場とあると思うと、一種異様な屑物が山積した....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
の思惟像《しゆいぞう》として、瞑想《めいそう》の頬杖をしている手つきが、いかにも無様《ぶざま》なので、村人たちには怪しい迷信をさえ生じさせていたが、――そのうえ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
よくしようとは少しも気を配らなかった。クリストフは最初にちらりと見ただけで、醜い無様《ぶざま》な娘だと判断してしまった。彼女の方では彼にそのような判断は下さなか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
見なかったし、何にも見ようとはしなかった。そして通りがかりに最初見てとったもの、無様式な新しい街衢《がいく》や四角な大建築などは、もっとローマを知りたいとの念を....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
げでまた狭苦しかった。野の中にも丘の上にも一物もなく、ただ数歩前に曲がりくねった無様《ぶざま》な樹木が一本立ってるきりだった。 この旅の男はもとより、事物の神....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の場末の小屋のショオには大根足の女の子が足をあげて手を上げたり下げたりするだけの無様なものであったが、それにくらべると、今のストリップは踊りも体をなしているし、....
南国太平記」より 著者:直木三十五
に候、将は随分と心得も有之ものにて御座候|而《て》、悪《にく》み候程のものにて之無様に被存候、御前(斉興公)之御都合之言に言れぬ事も有之、将之評判|無拠《よんど....
リラの手紙」より 著者:豊田三郎
う感ずるだろう、ホッとするか、失望するか、考えまわし、ガスの充満した部屋を描き、無様に死んでいる二人を他人の様に想像していた。 久能が本当に死にかかったのはそ....